田中修+丹治邦和著「植物はなぜ毒があるのか 草・木・花のしたたかな生存戦略」(幻冬舎新書)を読みました。
植物の毒というと、トリカブトが代表的です。
その強さはフグの毒に匹敵しますが、しくみは真逆。
一緒に飲むと、しばらくの間は効果を打ち消し合うのだとか。
毒キノコはあまり登場しませんが、ジャガイモ、ヒガンバナ、スイセン、アジサイなど、身近な植物が持つ毒性についてわかりやすく紹介しています。
一方、毒とは逆に薬になる植物についても解説しています。
私は趣味で仏像彫刻をやっていますが、素材は主にヒノキです。
彫るたびにヒノキチオールの香りを嗅ぎます。
強い殺菌や抗菌の作用があり、心を癒やしリフレッシュする効果があるそうです。
グレープフルーツには、心臓を守る効果があります。
脂肪の燃焼が増えます。
しかし、「フラノクマリン」という物質を含んでおり、血圧を下げる降圧剤(カルシウム拮抗薬)が体の中で分解されるのを妨げます。
そうすると、薬が溜まっていき、血圧が下がりすぎて危険です。
実は私も降圧剤を飲んでいますが、注意書きにグレープフルーツジュースを飲まないように書いてあります。
この本には出てきませんが、前立腺肥大の薬にもグレープフルーツジュースを飲むなと書いてあります。
長寿や認知症対策に有効な食材として、ダイズ、ニンニク、オリーブ、ウコンを取り上げています。
ウコンはカレーに含まれています。
では、インド人には認知症が少ないのか?
その通りだそうです!
読みやすい本でした。