昨日、モレラ岐阜のTOHOシネマズで、映画「愛しのアイリーン」を観ました。
上映作品一覧をネットで調べ、これを選びました。
朝9時55分からの上映でした。
予告編を見たことはないし、話題の映画とはいえないでしょう。
ほかに客はいないかと思いきや、20人近くも客が入りました。
原作は、かつて「ビッグコミックスピリッツ」に掲載されたマンガだそうです。
方言からは、福島県あたりが舞台かと思いましたが、ロケは新潟県長岡市でおこなわれたようです。
長岡の花火大会も登場します。
主人公の宍戸岩男(安田顕)は、42歳、独身。
両親と同居しています。
きょうだいはいません。
パチンコ屋の店員で、地味で不器用な性格です。
同僚のシングルマザー・吉岡愛子に恋心を抱いています。
愛子は、清楚な見かけですが、男性関係は乱れています。
岩男の頭の中は、セックスで一杯です。
愛子に振られた岩男は、国際結婚のためにフィリピンに渡ります。
何十人ものフィリピン女性と見合いをし、なかば自暴自棄になり、よく考えずに18歳くらいのアイリーン(ナッツ・シトイ)と入籍します。
300万円以上の金を支払って、嫁を買ったわけです。
帰国すると、父の葬式が営まれていました。
岩男を溺愛する母・ツル(木野花)はアイリーンを認めず、猟銃を向けるなど嫌がらせを続けます。
そして、岩男と日本人女性の見合いを画策したりします。
アイリーンは、岩男との性関係を拒否します。
そこに現れたのが、フィリピン人とのハーフであるヤクザの塩崎(伊勢谷友介)。
ツルと組んで、アイリーンを買い取ろうとします。
岩男と言葉も心も通じず、苦悩するアイリーンをなぐさめるのが、若き僧侶・正宗(福士誠治)。
セックスと暴力シーンが多くて、R15+指定です。
「日本(の農村)の少子高齢化」「嫁不足」「外国人妻」「後継者問題」といった社会問題に真っ正面から取り組んだ作品。
原作について、Wikipediaでは、こう紹介します。
たしかにそうかもしれませんが、映画で描いているのは、あくまで個性的な登場人物ひとりひとりです。
そして、俳優たちが全力で演技しています。
木野花のクソババアぶりがすごい迫力!
雪の中、木野花を背負って歩くナッツ・シトイは、根性を感じさせます。
主役の安田顕は、ドラマの脇役として見慣れているのですが、主役としての存在感は十分あります。
福士誠治は、唯一まともに見える役柄で、劇中のオアシスになっています。
伊勢谷友介は、すごみだけでなく、驚くほど流ちょうな英会話を聞かせます。
大人のための映画として、私の評価は☆☆☆☆