これまで何十回もお通夜や葬式に参列したことがあります。
その7割以上が、真宗大谷派(お東)か、たまに浄土真宗本願寺派(お西)の形式だったと思います。
土地柄によるものでしょう。
それらのお通夜では、お経のようでお経ではなさそうなものを皆で歌っていました。
後半は、「南無阿弥陀仏」の繰り返しです。
私は、門徒ではないので、まったくわかりません。
いつも、時計を見ながら、まだかな、まだかな、と耐えています。
平均で25分間かかります。
遺族席、ときには一般席にまで、冊子が配られることがあります。
私もそれを受け取り、チャレンジしたことがあります。
すべての漢字にふりがなが振られ、節回しが記号で載っていました。
しかし、記号の意味がつかめず、私は合わせて歌うことができませんでした。
漢文のようですが、意味はさっぱりわかりません。
そして、それが、「しょうしんげ」というものらしいと知りました。
先日、西本願寺に行ったときに、ブックセンターに寄りました。
そこには、正信偈(しょうしんげ)の解説本が何種類かありました。
一番簡単そうなものを選んで、購入しました。
辻本敬順「レッツ!正信偈」(本願寺出版社)です。
少しでも意味が分かっていれば、25分間の苦痛が和らぐかな、と思ったのです。
浄土真宗で一番大事にしているお経が「無量寿経」であること、なぜ釈迦如来じゃなくて阿弥陀如来を大切にするのか、親鸞以外の菩薩や聖人たちの名前などなどを知ることができました。
お通夜で、まったく冊子を見ないでちゃんと歌っている人がいます。
毎日のように、歌っているんでしょう。
正信偈は、お通夜専用じゃないんですね。
