昨日、大垣コロナで映画「フューリー」を観てきました。
10人ほどの観客は、ほとんどが男性、それも私と同じく一人で来た人ばかり。
女性には、受けない映画みたいです。
第二次世界大戦におけるドイツ戦線が舞台です。
ブラッド・ピットが演じる軍曹ドンは、戦車「フューリー」の車長。
あくの強い経験豊富なクルーたちは、ドンに全幅の信頼を置いています。
そこに新兵のノーマンが配属されます。
彼は、タイピストで、敬虔なクリスチャンです。
人を殺すことを拒否し、仲間に大きな損害を与えたりします。
しかし、ドンから教育され、次第に兵士らしくなっていきます。
あらすじは、
こちらから。
有名な人物を描いたわけではありません。
反戦映画ではないし、戦争を賛美する映画でもありません。
ただ、戦争の現実、そのなかで戦う兵士らの苦悩を描いています。
娯楽映画とは呼べません。
感動というより、感心しました。
よくもまあ、こんな映画を撮影したものです。
リアル感がたまりません。
戦争を知らない国民ばかりになった日本では、絶対に作れない映画だと思います。
私たちが平和な世の中に安住している間、アメリカは戦い続けているんだということが思い返されました。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン、イラク・・・
戦争で人を殺した経験があるアメリカ人って、かなりの数になるのでしょうね。
ノーマンは、上官や先輩たちに逆らいます。
捕虜を殺すことを命じられ、それを拒否し、自分を撃ってくれ、とまで言います。
結局、ノーマンは、ドンから強要されて引き金を引きます。
捕虜の殺害は、東京裁判でBC級戦犯として裁かれました。
しかし、アメリカ軍もやっていたわけです。
この映画では、占領地の女性を強姦することも当然のようにやっていたとほのめかしています。
勇猛果敢なドンが、一人のときに見せる憔悴した表情は、良心との葛藤を表していました。
戦争の中で、消耗品として扱われる人間を、臨場感いっぱいに描いている重い映画でした。
私の評価は☆☆☆☆
