新年会で久しぶりに会った知人が、見違えるようにスリムになっていました。
ホテルのパーティーで、料理を各自取り分けるのですが、「僕、これ食べない」とか言うんです。
ビールは、飲みたがりません。
実は、彼、炭水化物(糖質)を摂らないダイエットでやせたんだとか。
肉も油もいいんだけど、ご飯もパンも麺類も炭水化物なので食べません。
砂糖はもちろんダメです。
焼酎やウイスキーのような蒸留酒はいいけど、ビール、日本酒、ワインのような醸造酒はダメだそうです。
本屋さんで、彼のネタ本を見つけました。
夏井睦「炭水化物が人類を滅ぼす〜糖質制限からみた生命の科学」(光文社新書)です。
(糖質制限は、夏井氏の専売特許ではないので、ほかの著者によるものかもしれません。)
書名は、センセーショナルですし、帯の文言も人目を引きます。
こういう本を買うのは、私のような中高年男性が多いと思いますが、「はじめに」では、
「本音を言えば、できれば同年代の男性には読んで欲しくないと思っている。・・・(中略)しかし私としては、自分が痩せればそれでいいのであって、自分以外の同年代のオヤジたちに痩せて欲しくないのである。私以外の中年オヤジはずっとデブ体型のままでいて欲しいのである。」
なんて挑発的です。
トンデモ本かと思いきや、糖質制限ダイエットのことははじめの方だけで、あとは食物に関する歴史、ウシなど他の動物の生命維持(エネルギー補給)方法、さらには生命の誕生にまで遡る著者の博識をこれでもかと披露しています。
高校生の頃、生物で習ったATPとかミトコンドリアとか、こういうことだったのか、と感心しました。
著者は、炭水化物を嗜好品だと断じます。
「19世紀のヨーロッパでは、砂糖を渇望して労働者が働き、日本では、米を食べるために職人たちが働いた。・・・(中略)第二次大戦では、多くの国で兵士の恐怖感を和らげる目的で、タバコを支給して喫煙を奨励したし、ベトナム戦争でアメリカ軍が兵士にマリファナを配給したことは有名だ。」
興味深い指摘です。
「現代人が悩む多くのものは、大量の穀物と砂糖の摂取が原因だったのだ。人類が神だと思って招き入れたのは、じつは悪魔だったのである。」
人類は、穀物に支配され、働かされてきたというのです。
以前、このブログで、
「加速する肥満」という本を紹介しました。
そのなかで、
歴史家のジャレド・ダイアモンドは、農業を「人類史上最大の失敗」と断じているそうです。
狩猟採取民は、伝染病やけがを除けば、糖尿病、心臓病、がんなどにかからず、健康的でした。
食生活は、非常に多彩で豊かでした。
それが、農業や牧畜の普及とともに、不健康になり、また貧しい食生活になっていったのです。
と述べました。
農業=穀物といっても過言ではないでしょう。
さて、私が、糖質制限ダイエットに挑戦するか?
まずは、日本酒のストックを飲み干してから、考えることにしましょう。
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