NHK総合テレビで、土曜日午後9時から、「負けて、勝つ〜戦後を創った男・吉田茂〜」が放映されています。
渡辺謙が好演しています。
さすが、ハリウッドでも活躍している大スターです!
このドラマでは、外交官だった吉田茂が、マッカーサーやGHQと堂々と渡り合います。
そして、時代の流れの中で、心ならずも総理大臣になってしまいます。
その後、戦後の保守政党の主流を形成していきます。
そうか、吉田茂って、こんなにすごい人だったんだ!
(彼が没した際に、戦後はじめての国葬が営まれたのを憶えています。)
と思っていたら、最近読んだ本では、かなり異なる人物像が描かれていました。
新聞の書評をもとに買った、孫崎享(まござき・うける)著「戦後史の正体1945−2012」(創元社)です。
著者も、外務官僚出身で、駐イラン大使などを経験しています。
戦後の外務省には、大きく2つの派閥があった(今でもある?)そうです。
ひとつは「対米追随派」であり、もうひとつは「自主派」です。
著者は、後者に属していたことを明言しています。
一方、吉田茂は、前者の代表。
当然、著者は、吉田に対して、きびしい見方をしています。
「私は、日本の最大の悲劇は、占領期の首相(吉田茂)が、独立後も居座り、占領期と同じ姿勢で米国に接したことにあると思っています。」
とまで、述べています。
吉田は、GHQのなかでも、とくにマッカサーの情報参謀であるウィロビーにべったりだったそうです。
NHKドラマのなかでは、そうは描かれていませんけどね。
対米追随派と自主派は、自由民主党はじめ保守政党内にもありました。
首相でいうと、重光葵、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、田中角栄、細川護熙、鳩山由紀夫らが自主派で、いずれも米国からの圧力で排斥されたそうです。
田中角栄がロッキード事件をでっちあげられて、米国によってつぶされたのは、もはや公然の秘密でしょうね。
しかし、NHKドラマでは、芦田や鳩山らは、なんともなさけない政治家に見えます。
このドラマの制作・放映自体が、米国の陰謀なのかしら?
なお、北方領土に関してですが、サンフランシスコ講和条約で、わが国が国後、択捉両島を放棄しているのは明白だそうです。
ところが、ダレス国務長官が重光外相に、「もし日本が国後、択捉をソ連にわたしたら、沖縄をアメリカの領土とする」と猛烈におどしたそうです。
「それは日本とソ連のあいだに解決不能な紛争のタネをうめこむためでした。」
なんども、目から鱗が落ちる思いをさせられる本です。
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