昨年、
地方紙44紙一斉に、五木寛之「親鸞〜激動篇〜」が連載されました。
共同通信が配給したんだったと思います。
私は、岐阜新聞で読んでいました。
面白いことに、岐阜新聞と仲が悪い中日新聞でも、まったく同じ小説が同じペースで読めました。
中日新聞は、ブロック紙としてのプライドがあるからか、別の小説も同時に連載していましたが。
77歳の五木氏が、新聞小説を連載したのは、さぞかし激務であったと想像されます。
この小説の単行本が、今日、発売されたようです。
「激動篇」は、35歳の親鸞が、流刑地である越後に向かったところから始まりました。
それまでの親鸞(8歳〜35歳)を描いた小説「親鸞(上・下)」は、すでにベストセラーになっています。
これも2008年9月から中日新聞などに連載されたそうです。
私は、それを文庫版で読みました。
親鸞が比叡山で学び、悩みながら成長していきます。
おそらく五木氏が創造した、脇役陣が魅力的です。
極悪非道の黒面法師(六波羅王子)が、「十悪五逆」の悪人である自分でも阿弥陀如来は救ってくれるのかとなんども親鸞に迫ります。
親鸞は、なんども襲われますが、そのたびに危機一髪で、ツブテの弥七らに助けられます。
手に汗握る劇画調で、面白いのですが、ちょっとワンパターンかな、と思いました。
宗教がらみのストーリーですので、当然、批判はあるようです。
五木氏が、親鸞の教えをよく理解していない、というような。
あとがきによると、五木氏は浄土真宗本願寺派教学伝道センターの協力を得たようですので、対立関係にある宗派・教団は、さぞかし面白くないことでしょう。
しかし、私は、他力本願をつきつめた親鸞の思想を少しはかじることができました。
まあ、それより、十分、娯楽として読めました。
お風呂のリフォームは、こちらからどうぞ。
↓
