「お伊勢さん」には、2時間半くらいで行くことができます。
このへんの人にとっては、手軽な観光地のひとつと言っていいでしょう。
私も、何回か行きました。
はじめて行ったのは、小学校の修学旅行でした。
小学生に向いているとは言えません。
すぐ下の学年からは、京都・奈良になりました。
(では、京都・奈良の寺社めぐりが向いているかどうか、これも疑問ですが。)
その修学旅行を除けば、外宮(げくう)に行ったことはなく、内宮(ないくう)ばかりです。
それにしても、毎回、巨木が建ち並ぶ境内の清らかさと神々しさには、感動します。
(2年前の今ごろ行ったときの感想を
ブログ記事に載せています。)
武澤秀一「伊勢神宮の謎を解く アマテラスと天皇の『発明』」(ちくま新書)を読みました。
著者は、歴史学者や宗教学者などではありません。
なんと建築家なんですね。
「あとがき」によると、
「執筆にあたっては思い込みを極力排し、さまざまな可能性をひろくさぐりながら、デッサンのようにやわらかな線を重ねてゆき、徐々に真実が浮かび上がってくることを期しました。」
前半では、古事記・日本書紀に記された神話の世界や古い神社、古代の信仰などの基礎知識を与えてくれます。
後半では、一気に伊勢神宮の誕生の謎解きを展開します。
そのときに、前半にちりばめられた知見が統一され、武澤理論が成立します。
(吟味した資材を集めて、一流の建築物を構築するかのようで、さすがに建築家です。)
その理論は、伊勢神宮にとどまらず、記紀の背景と意図、天皇制の確立過程までも解き明かします。
推理小説を読んで、犯人を書いてしまうようなものなので、結論は紹介してはいけないと思います。
でも、
アマゾンの書評などでは、皆さん、どんどん書いちゃってますね。(-_-;)
「天皇」という呼称、記紀の編纂、そして伊勢神宮の成立。
それらによる世襲制天皇制の確立と律令制の両立。
天武天皇(大海人皇子)って人は、織田信長のような天才的革命児だったのでしょうね。
この本は、なぜアマテラスが最高神であって、その親のイザナキとイザナミではないのか、など、私の積年の疑問にも明快に答えてくれるものでした。
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