吉本佳生著「スタバではグランデを買え! 価格と生活の経済学」(ダイヤモンド社)を読みました。
ペットボトルのお茶、デジカメ、映画のDVD、携帯電話料金、100円ショップの商品などの価格の謎を次々に解き明かしてくれます。
もちろん書名のように「スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか」にも1章を割いています。
いずれの話題も興味深いんですが、特に「子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?―安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる」という章は、なるほど、そういう見方もあったのか、と感心しました。
子どもの医療費をタダにすると、小児科医院がもっと混むようになると予想されます。
その子どもは、だれが医院に連れて行くのでしょうか?
専業主婦のお母さんや働いていないお祖母ちゃんでしょうか?
それとも共働きのお母さんでしょうか?
前者であれば待ち時間が長くなってもあまり影響はありませんが、後者であれば大きな損失を被ることになります。
かえって格差を拡大することになる、というのが著者の主張というか分析です。
直接関係はありませんが、この話で東京の高速道路(首都高)の料金を払わない運動を思い出しました。
そういうのが、かつてあったと思います。
しょっちゅう渋滞しているのに、なぜ料金を払わなくちゃいけないんだ!道路は本来無料であるべきだ!というわけです。
値上げされたのが気にくわなくて始められたようです。
でも、渋滞が問題なら、もっと値上げすべきです。
そうすれば、首都高を利用する人が減って、スイスイ走れるようになります。
東京に住んでなくて、都内を運転することもない者がこんなこと言うと、利用者からは怒られるかもしれませんね。