伏見は古来、「伏水」と言われる程、良質な伏流水が豊富で、これを仕込み水として伏見に酒造りが発達しました。豊臣秀吉は、伏見城内に「金名水」、「銀名水」と呼ばれる井戸を掘らせて、茶会に用いたと伝えます。
「伏見七つ井(七名水)」は、「石井」、「常磐井」、「春日井」、「白菊井」、「苔清水」、「竹中清水」、「田中清水」の七つの井水(湧き水)を言います。残念ながら、苔清水(JR桃山駅踏切北側)、春日井(江戸町)は現存しません。
現在の
「伏見七名水」
「御香水(御香宮神社)」、「さかみず(酒水:月桂冠大倉記念館)」、「閼伽水(長建寺)」、「白菊水(鳥せい本店)」、「伏水(黄桜カッパカントリー)」、「金運清水(大黒寺)」、「菊水若水(城南宮)」、「常磐井水(キンシ正宗)」、「不二の水(藤森神社)」の七名水を言います。伏見には、他にも湧水を汲み上げている場所があります。七名水をめぐる「名水スタンプラリー」も行われます。
「石井(いわい:御香水)」@御香宮
御香宮の湧水で御香水として知られています。湧き水から良い香りが、漂った事からこの名が付いたそうです。また、この水を飲むと病が治ると言われています。
「常盤井(ときわい)」@キンシ政宗
中硬水の水質として鉄分が少なく「全国名水百選」に選ばれた御香水と同一の水源と言われます。
「伏水(ふしみず)」@黄桜カッパカントリー
伏見はかつて「伏水」と言われた事に因んで「伏水」と命名され井戸の深さは約60mです。
「不二の水」@藤森神社
三代目の井水で地下90mから汲み上げているそうです。二つとない、おいしい水と言われ、武運長久、学問向上、勝運を授ける神水として信仰されています。
「白菊の水」@板橋小学校
稲の豊作を願い白菊を愛でる翁(仙人)が、日照りが続き、稲が枯れるような時、私が愛でた白菊の露の一雫より清水が湧き出すと告げたとも伝えます。
白菊水@鳥せい
「菊水若水」@城南宮
あらゆる病が治ると言われ、毎日参詣人が絶えません。白河法皇の歯痛も治ったと伝えます。病気平癒の霊験あらたかで、お百度を踏んで水を持ち帰り病人に授ける習慣がありました。奈良のお水取りの水は、若狭の国から、この菊水若水の井を経て、二月堂の若狭井に達しているとも伝えます。
「閼伽水」@長建寺
「閼伽水」とは、神仏に供える水の事で、本尊・弁財天や密教十二天の一である水天尊(水の神)に供えられます。
「金運清水」@大黒寺
出世大黒天に毎月1日、金運清水を供えされ、金運良好、資産増加、厨房守護、子孫繁栄などにご利益がある霊験あらたかな水と言われています。
「さかみず(酒水)」@月桂冠大倉記念館
ナトリウム・カルシュウム・マグネシウムなどミネラル分を適度に含み、酒造りになくてはならない水として大切に守られています。入館料¥300要
「竹中清水」@タカラ酒造
かっての伏見七つ井の一。事務局に見学の許可が必要です。

常盤御前、牛若ゆかりの
常磐井跡@桃陵団地公園内
平治の乱で源義朝が敗れ、常盤は3人の子を連れて京を後にします。一説によると、その途中で常盤が足を休めたと伝える井戸が「常盤井」。大和街道沿いの常盤町にありました。
苔清水跡@JR桃山駅踏切北側辺り(私的推測)

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