懐かしい方にお会いしました。
「春燈」の大先輩で俳人の西嶋あさ子さんです。
20年ほど前のこと。
わたしは縁あって俳句結社「春燈」に入門して、久保田万太郎・安住敦の愛弟子、坂間晴子先生の指導を10年ほど受けました。
月に一度自由が丘の住区センターに集まり、親子ほど歳の離れたベテランの皆さんと席を並べての「春燈夫人勉強句会」。
最初は緊張したもののどんどん俳句の魅力に取りつかれ、娘の出産もあり途中お休みもしましたけど5年ほど通い勉強しました。
その時いらしたのがあさ子さんでした。
頭脳明晰で、句会では皆さんよりお若い感じなのにとても頼りになるお姉さん的存在でちょっとクール。
ご本人の句やちょっとした言葉の端々から、師・安住敦と坂間先生を心から信頼、尊敬しているのは新参者のわたしにもわかりました。
坂間先生もまたあさ子さんを一番に信頼していたでしょう。
お2人の安住敦への師弟愛は本物で格別深いものだったのです。
娘が3歳になった頃わたしはシングルマザーになり、その後子育てや撮影の仕事も増えて猛烈に忙しくなり、あんなに楽しかった俳句が苦しいほうの「俳苦」になってしまい、入会10年を節目に春燈を離れる事に。。
こうして俳句との蜜月の日々は終わりました。
その後もひまを見つけては安住敦の句集を求めたり、随筆を読み返したり(何しろ大ファンなのです)、たまにヘタな句が浮かんだりしてましたけど、娘も成人が近づいて気持ちに余裕が出てきたのか。。
最近はいよいよ作句・俳句の勉強を再開したくなって、先日思いきって角川に電話をかけあさ子さんと連絡を取ることができました。
電話の向こうのあさ子さんのお声は20年前と全く変わっておらず、わたしは感激で涙が出そうでした。
俳人協会や関係の仕事で忙しいけど。と前置きした後で「では懐かしい自由が丘でお会いしましょう」と仰って下さった時の嬉しさと言ったら!
駅近くの喫茶店「モンブラン」でお話しをして、あさ子さんは次の俳句文学館での句会にわたしを誘って下さいました。
主宰する同人誌「瀝」40号も頂きました。
冬の灯や坐りなほして読む一書
降る雪やすぐ香に立ちて胡麻油
西嶋 あさ子 「日々抄」より
坐りなおして読むのはやはり師・安住 敦の本でしょうか?
二句目、静かに降る雪と胡麻油の香の対比。
食事の支度と思われる何気ない生活の句も、あさ子さんの手にかかるとしみじみとした品格のある句になるのが不思議です。
読むかへす師の句友の句冬灯
和実
今年はまた地道にコツコツと俳句を作ってみます。
決して俳苦にはならないように。。
画像は今読んでいる安住 敦の随筆とあさ子さんの著書。
どちらも「わたしが読むために書かれたのでは!?」と驚くほど気持ちにぴったりする本。
素晴らしい師とこんなに素晴らしい本にめぐり合えたわたしは幸せ者なのです♪


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