尿閉というと多いのはやはりオス猫のように思います
つい先日も外傷の治療で通っていた子が
尿が出てない食べないの主訴でぐったりして来院
腹部を触るとでかくて(おなかの半分以上)キンキンにかたくなった膀胱が
触知できたので尿道にカテーテル(管)を通そうとしたら通らず
通す処置をしてやっと排尿が出来ました。尿道口も自分で舐めまくったらしくぼろぼろでした
膀胱内の出血もありすごい色の尿が出ました
当然と言うか血液検査の腎臓関係の数値は振り切っていたので即入院と点滴の処置をすることになりました
治療の成果もあり二日ほどで血液検査上の異常は解決しましたが
点滴で状態が改善したらしたで難儀なことにこの子が非常に暴れん坊で鎮静をかけないと何も出来ない
とくにカテーテルの挿入はとても出来ない・・・のにすぐ自分で抜いてしまう
結局膀胱からの出血も比較的長く続き尿道口もきれいになってきたので膀胱の収縮力を強くする薬を処方して自宅で経過観察し出なければ通院治療ということになって来院より一週間現在も治療は続いています
オス猫の尿閉は命にかかわることでもあり
猫の飼い主さんにとっては尿石の問題は比較的ポピュラーな知識のようです
しかし、何年前のデータだったか失念しましたが尿石対応を謳ったフードが増えたおかげ(謳っているだけのフードもありますが)でもともと結石の大半を占めていたストロバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)結石の発生比率が下がりシュウ酸カルシウム結石の割合が増えていると言う現実があります
増えていると言われるこのシュウ酸カルシウム結石はストロバイトと違い溶解することが出来ない石なのでかえって大変なことになっていくのではないかなと思います
そこで最近は病院で扱うようなフードにはこの2種類の結石両方の生成を抑えるようなフードが出てきています
価格的にも普通のプレミアムフードと大差ない値段で手に入りますので当院ではこの手のフードを食べるにゃんこが増えていっています
実際嗜好性もよく一度尿の問題を患った子のその後の経過も良好でお勧めできるものだと思います

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