今日は少しネコのフードについて思っていることを
ネコは旧態依然とした放し飼いスタイル(やめてくださいね)が多い所為か
飼っている人が多い割には病院と縁遠いペットです
もちろんワクチンだって打った方が良いし、ノミの予防、あまり知られていませんがフィラリアだって予防した方がいいのです(そのあたりについてはまた別の機会に)
話を戻して
病院と縁遠いせいなのか動物に関する栄養学というのがあるんですがイヌに比べてネコの栄養学的研究はまだまだ発展途上のようです
というのもとある大きな研究所をバックに持つ処方食メーカーが
昨年発売したフード(処方食)の中に糖尿の管理・減量用のフードというのがあるんですがこの会社他にも減量用のフードを出しているんですがその内容が正反対なんですよ
確かに前からあった高繊維のフードでも痩せる子は居ましたが効果がないとか却って太ってしまうケースが見られました
そこでそういったケースに向けて今回出たのが高タンパク高脂肪低繊維のフードなんです
カロリーもそこそこあるので飼い主さんが給与量を守れないと却って太ってしまいそうですが
この手のフードおそらくきっちり給与すれば痩せることが可能だと思います
このフードそのものではないですが
以前うちの病院に居た10キロ超の超肥満ネコ(その子は各社のダイエット用高繊維食を食べて太り続けていました)を高栄養食を利用して肝臓などにダメージを与えることなく(ネコは急激なカロリー制限を行うと脂肪肝になり生命の危険があります)半分程度の体重に減量させたことがあります
(当然顔をあわせるたびに「メシ!」と言ってましたが・・・)
そのとき考えたのがイヌとネコの食性の違いです
イヌは肉食寄りの雑食動物ですがネコはほぼ完全な肉食動物です
つまり元々ネコは繊維分の多いものを食べるように出来ていないのです
そういう目で今までの既存の減量用フード(あるいはライトタイプのフード)を見てみると繊維分を増量したものが殆どです(ネコ用もイヌ用も)
確かに食事中の繊維分を増量することによって糖分の吸収が緩やかになるというメリットはあるし(なので糖尿病の管理にも使われてきました)
はらもちが良くなるというメリットはあるでしょうが、ネコに関していえば(草食動物以外はどの動物も基本的に繊維は利用できませんから)高繊維のフードというのは栄養効率の悪い粗悪な食事というふうに体は反応しているのではないかなと考察します
つまり高繊維食で太るのは効率が悪いものを食べているのでその他の栄養分の吸収をがんばって蓄えようという仕組みなのではないかなと
残念ながら私は臨床家であり研究者ではないのでこのことを突き詰めて答えを出すことは出来ませんが冒頭に書いた某処方食メーカーから出たフードがそういう解釈の元に作られたものならば
今までのネコのフードはイヌベースに作られたものをネコの食性と栄養要求に当てはめただけのものだったのがこれから先どんどん進化していく可能性を秘めているのではないかと思います
この内容はあくまで経験的な話でありエビデンスはありませんので試してみて「太ったじゃないか」と怒らないでくださいね
高タンパク高脂肪フードを使っての減量には厳密な食餌量の管理が必要です
それは太らせてしまう飼い主さんには一番難しいことなのかもしれませんので…

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