<音を伝えるしくみ>
音は
空気の振動として、
耳介に集められ
外耳道を通り
鼓膜へ
鼓膜から
耳小骨のツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨にそれぞれ伝わり
内耳に振動が伝わります。
振動は
内耳で電気信号に変換されて
蝸牛神経に伝えられ
脳の聴覚野へとたどり着きます。
聴覚野に伝わってはじめて
「音」
として感じることが出来るのです。
●外耳で振動を集めて、中耳で振動を増幅させる
音は空気の振動で成り立っています。
その振動は
外耳の耳介で集められ
外耳道を通って鼓膜を振動させます。
鼓膜は
その名の通り、太鼓の膜のように働き
空気の圧力の変化を受け止めて振動します。
振動はさらに
ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨に次々に伝えられ
ツチ骨・キヌタ骨が梃子のように動くことで
音圧(音の圧力)を約1.3倍に増幅します。
そして、アブミ骨は
低面積が鼓膜の底面積の約17分の1であり
振動を小さい面積に集めることで
鼓膜の音圧を約17倍に増幅させることができます。
3つの耳小骨の働きが合わさることによって
鼓膜の音圧は約22倍にも増幅されて
内耳の内部を満たすリンパ液へと伝えられます。
●内耳で振動を電気信号に変える
内耳の入り口に届いた振動は
内耳(蝸牛)の中にあるリンパ液を動かし
そのリンパ液の流れがらせん状の通路を進んでいきます。
すると
蝸牛管の底面である基底膜が振動することで
コルチ器の有毛細胞が動きます。
このとき、
動いた有毛細胞が蓋膜にあたることで
毛が折れ曲がり、神経に伝える電気信号が生まれます。
有毛細胞は
場所によって担当する周波数(音の高さ)が決まっており
蝸牛の入り口近くにある有毛細胞は高音に反応し
蝸牛の奥にある有毛細胞は低音に反応します。
それぞれの周波数にあった
有毛細胞が動くことで
振動を電気信号へと変換するのです。
●電気信号によって脳で音を感じる
電気信号に変換された音の情報は
蝸牛神経に伝わります。
蝸牛神経は脳の延髄につながっており、
電気信号は延髄にある蝸牛神経核へと伝わります。
その後
電気信号は橋(きょう)や中脳を経由して
大脳皮質の聴覚野に伝わり
音をかんじることができるようになります。
右耳の場合
電気信号の多くは延髄に伝わる時点で
左側の神経核へと伝わり、
そして、左側の聴覚野へ届けられます。
反対に左耳から伝わる音の電気信号の多くは
右側の聴覚野へと伝わっていきます。
●脳で「音源の位置」と「音の性質」を分析する
音の電気信号が
延髄や橋に伝わる際に
左右の耳に届く音の大きさから
音源の位置が分析されています。
電気信号が
中脳に伝わると
延髄や橋で分析された情報を統合して
さらに詳しく音源の一や音の性質を認識し、
大脳皮質の聴覚野へと伝わります。
聴覚野には
コルチ器の有毛細胞と同様に
同じ周波数に反応する神経細胞が順序よく配置されており
各周波数の情報を感知しています

1