6月某日
やっとハ長調のスケール練習に入る。
楽器が来てから約一ヶ月になるが、実はまだ一度もレッスンを受けたことが無い。実際の演奏を聴いたこともない。理由は簡単だ。師匠は普段はロンドンだから。ということで、教本片手にメールして、アドバイスを受けながら独習である。
しかし、リュートと言う楽器を始める人は、ギターからまず始めた人が多いようで、内外の教本もそこら辺の説明はカットしてある。かといってギターとは奏法がかなり違うので、ギターの先生に聞くわけにもいかない。見れば数秒で済むことを、全部言葉で説明しなければいけない先生も大変だ。
梅雨に入った。早くガット弦をはってみたいけれど、湿気が大敵なのと、しばらく調弦に慣れるため秋まで待つように言われる。
7月某日
そろそろ、想像力も限界に近づき、良い機会なので、初生演奏を聴きに行く。
佐藤豊彦氏のオリジナルリュートの音に感動!
最前列でしっかり弾き方も観察させて頂く。
熊本県の阿蘇で行われた古楽講習会に声楽で参加。
声楽の波多野睦美氏に鍛えていただく。
つのだたかし氏のリュートコンサートも最前列でしっかり観させていただいたが、トークのおもしろさに、一人笑い転げる。(リュートは調弦に時間がかかる楽器だが、そのあいだ奏者は話で繋がないといけないらしい。トーク力はリュート奏者の必須??)
師匠から初レッスンを受けるため京都に行く。講習会にも参加。
すごく緊張していたので、あまりよく覚えていない。
ただ京都は暑かった!九州の可愛い暑さに比べると、非人道的暑さだ!!
8月某日
2度目のレッスンを受ける。
朝の涼しいうちにレッスンを受けるため、5時に家を出る。
リュートだけでなく声楽のコーチングもして頂く。
リュートは初心者として、順調に進んでいるので楽しい。
でも歌の方は、今まで歌ってきた歌とスタイルが大きく違うので、先生のリュート伴奏とタイミングがなかなか合わず、戸惑うことが多い。勉強の仕方を考えなければ。楽譜も原本のコピー(ファクシミリ)に切り替える。
ダウランドのころの英語に親しむため、シェイクスピアの勉強も始める。当時の音楽解釈のため、歴史やら文化やら和声学やら、だんだん勉強することが増えていく。ロマンス語(フランス語、イタリヤ語、スペイン語)の勉強も始める。
リュートは単旋律の練習。ダウランドの弟子のマーガレット・ボードさんの手書き譜を読み始める。最初見たときは、あまりにも込み入っていたのでゾッとしたが、慣れてくると綺麗な字なので、とても読み易い。曲もとてもシンプルで美しく、すっかり気に入る。
古楽の道は果てしない。一体、どこまで行くのやら・・・

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