しっかりしろ、おかん  気のまま家族

今日また日本から高校生のグループが到着した。今日から2週間、ロトルアの高校での語学研修プログラムだ。
午後は、アクティビティに行く。
私も河童も忙しいので、写楽を2週間チャイルドケアセンターに預けることにした。


先週、何度か「ならし」で行った。
私はなるべく写楽から離れて遠くから見ていた。
写楽は、楽しそうにしていた。「大丈夫そうやん!いけるわ、これは」と少し安心した。

昨日、はじめて母なしで預けた。
2時間後、センターのマネージャーから電話。
「彼女が、今日はちょっとunsettleなの。落ち着かせようとがんばったけど、ちょっと無理みたい」
すぐに迎えに行くと、写楽は若い先生に抱かれて泣いていた。
いつものように指をくわえて、必死で何かに耐えるようにぎゅーっと目をつぶって、ヒックヒックとしゃくりあげていた。
先生の肩にぴたーっと顔をつけて。
時々、がまんできずに、「ひーん」と声をあげて泣いていた。

「ほら、マミーがきたよ」と先生が言った。
写楽は英語がわからないので、顔をあげない。
私が、写楽のそばまで行って、ほっぺをちょんちょんした。
それでも目をあけない。
「写楽」と呼んだ。
ぱっと目を開けて、「かあちゃあああーーん!」と言ってとびついてきた。

「かあちゃんと一緒に遊ぶ?」と聞くと、「おうち、かえるのー!」と言う。
仕方なく「今日はつれて帰るわ」と先生に断って連れて帰ってきた。

河童が聞いた。
「今日、幼稚園行ってきたの?」
写楽「べいびーとあそんだのー」
河童「ベイビーと何して遊んだん?」
写楽「かあちゃん、まってたのー」


つらい。私のほうが泣きそうになる。
働くおかあさんは、こんな気持ちやねんな。
子供を預けて、仕事に行くのってこんな気持ちやねんな。


今日も写楽をセンターに連れて行った。
車を降りるときに、写楽は「よーし、かんぱろー」(頑張ろう)と言った。
弱い母は、また泣きそうになった。

今頃、センターで泣いているのかもしれない。
でも、午後には学生さんが到着する。私も仕事。
「今日は、午後、仕事があるから5時にしか迎えに来られない」というと、
若い先生は。「大丈夫よ、まかせて」と言ってくれた。


英語が全く理解できない1歳8ヶ月の写楽。
「かあちゃん、どこいったのー」と泣いていやしないだろうか。
「おみず、ほちいの」と言っても、先生に日本語が通じないので、きっともらえないだろうな。我慢してるかな。
おむつちゃんと代えてもらってるかな。
ごはんちゃんと食べたかな。


考えるとつらくなる。
私は弱い。
私が仕事するために写楽は預けられてがんばっているのだから、ちゃんと仕事しよう。
この文章を書き終えたら、もう今日は5時まで写楽のことは忘れる。

よーし、がんばろう!







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ずっと、おぼえていてね  気のまま家族

写楽を寝かしつけるとき一緒にふとんにはいる。最近になってやっと「かあちゃんとオハナシ」できるようになった。
「かあちゃんとおはなししよか」「かあちゃんとすきすきしよか?」と言っても「いやのー。おはなし、いやのー。すきすき、いやのー。おん、のむのー(本読むの)」と言われるときのほうが多いのだが、たまに「おはなし、しゅる」と言うようになったのである。


会話ができるようになったら、ぜひ聞いてみたかったことがある。
それは、「生まれてくる前の記憶」についてである。
子供は、おなかにいたときのことを覚えているらしい。
大人になるにつれ、記憶が薄れてしまう。
私は母の胎内にいたときのことなど全く覚えていない。
写楽は覚えているのだろうか。
話せるようになったら、おなかの中にいたときのことを聞いてみたいと思っていた。
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一期一会  気のまま雑記

語学研修にきていた高校生たちが、日本に帰っていった。
2週間おつかれさま。日本に到着して、おかあさんの作ってくれたおいしい日本食を食べて、自分のベッドでぐっすり眠ったことだろう。

午前中は語学学校で英語の勉強、午後はアクティビティ。
ニュージーランド人の家庭にホームステイしながら、英語漬けの2週間であった。高校1年生の彼らにとって、ホームステイする経験はおそらくはじめて。ニュージーランド人の日々の質素な食事に驚いたり、家族のあり方、日々の生活の営み方の日本との違いにショックをうけただろうか。
そういうショックを受けることって大事。
留学の経験のない私にはうらやましい。

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私はアクティビティに一緒に行った。シティツアー、ゴンドラ&リュージュ、乗馬、ロトルア博物館、羊ショー&ファームツアー、テ・プイア、タウポ日帰り旅行、ワイトモケーブ、買い物などなど盛りだくさん。
ロトルアのいいところ、たくさんみせてあげたい。
日本とは違う文化に触れて何かを感じて欲しい。思い出に残ればいいな。
そう思うと、つい一生懸命説明してしまう。
でも、間欠泉がどうしたとか、ロトルアの歴史についての説明より、スーパーでどのポテトチップスがおいしいとか、カフェにはいったらお勧めのコーヒーとか、そういう個人的にぽろっと話したことのほうがずっとおもしろかったみたい。
全体にむかって話すよりも、一人ひとりに話したことのほうが、しょーもないことでも記憶に残るんやろね。


ロトルアでの語学研修が終わった日の夜、修了式が行われた。
一人ひとりの名前を呼んで修了証書が渡される。
生徒達が全員で日本の歌を歌った。
スピッツかミスチルか忘れたが、「またこの場所で元気で会おう。それまでそれぞれの道をしっかりと生きていこう。」という歌。
この歌は反則だ。やられた。
歌を聴きながら、歌う生徒達ひとりひとりの顔を見ていたら、不覚にも涙が出てきた。
あー、この子はこんなこと言っていたなあ、この子は楽しそうにいつもふざけていたなあとそれぞれの子の顔を順番にみていた。
この子たちのこれからの人生に、ロトルアでの2週間が何かいい影響を与えたらいいのに。
思い出がたくさんできたかな。
会えたのは偶然だけど、会えてよかった。
そんなことを考えながら、歌っている一人ひとりの顔をみていたら、知らないうちに涙が出てきた。
生徒達も泣きながら歌っていた。




先生に「みんないる?」といわれると、人数を数えて「男子います!」「女子全員います!」と答えていた素早さに感動した。すごいな、日本人。男子リーダーの彼は、友達に「点呼マン」と呼ばれていた。

ちょっと眉毛を整えたりして、かっこよくしていた君。羊やキウィの木のことなどたくさん質問してくれた。いつも中心にいた。
「将来は、創作料理のシェフになりたい」ってナイショの話。


いつも一人で歩いていたあなた。一人でも寂しそうでなかった。孤高の人という言葉を思わせる。話したいなとずっと思っていた。なかなかチャンスがなかった。最後の日、スーパーマーケットに行く道すがら話をした。韓国語が少しわかるんだって。


「フラットホワイト、うまかったよー」と報告にきてくれた君。私がおいしいよと言った種類のコーヒーをさっそく飲んだんやね。


自由時間に一緒にカフェで話したあなた。バレー部だと言っていたね。「一緒にコーヒー飲んで楽しかった」と言ってくれた。


「買ったよー、マヌカハニー!その報告しようと思って」とやってきた君。
言うことはそれだけかいな。かわいいなあ。


みんななぜかいやがって入らなかった温泉に、「俺はいるー」とはいった3人の男子生徒。温泉であたたまったあと、アイスクリーム食べながら、みんなの待つ土産物屋さんまで一緒に歩いたね。
「温泉はいってよかったわー。人数少ないから、よけいによかったー。」と言っていた。
「I love you.温泉楽しかったです。」とメッセージを書いてくれた君。


「土産買わなくちゃ。金余ってるから」と言う君に、「あまらしといたらええやん。全部つかわんでもええねん。」と言うと、「大阪弁かっこいいっすねー」と言われた。


「どうぶつ、見たい!木や植物はもういいっつーの!」とファームツアーの途中うるさかったあなたたち。
木の説明をしている係員の気持ちや立場もいつかわかる日がくるやろうね。
試食のハチミツはバクバク食べていたので「動物でなくてええの?」というと、「食べるものはいいんですー」と。おもしろいなあ。若さは、特権だ。いつか、若さが武器にならない場面にも出会い、いつか武器として使える若さがなくなっていることにも気づくだろう。今は、明るいそのままでいたらいい。
ホームステイファミリーと別れる時、私と別れるときも子供みたいにわんわん泣いていたね。かわいいなあ。


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もう会えないかもしれない。
でも会えてよかった。
またいつか会えるといいね。
会えるかもしれないね。
それを希望というのだろう。希望があれば前を向いて生きていける。
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また、やつのしわざだ  気のまま家族

なんでここにこんなものがあるのか。

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外に置いてある暖炉用の木に上に


キティちゃんのプラスチックのおわん。


そして、おわんの中には、脱いだ靴下。


「なんじゃ、こりゃー」とおもわず笑ってしまった。
どんなこと考えてるのかね?この小さい人は。
いろいろ考えてるのかな。




<写楽1歳7ヶ月 覚え書き>
・「ぼうちかぶってー、かばんもってー、さ、いこか」
(自分のベッドに寝に行く時に、帽子をかぶりばあちゃんの作ってくれた布のバッグを持って)

・「かあちゃん、じゅぶんで、かけるのー」
(かあちゃんに絵を描いて欲しいというリクエスト。書いてではなく「自分で書けるのー」という。そら、書けるわ、かあちゃん大人やからな。)

・「ばんみ、みるのー」(バンビ観るの)
(いうとくけど、バンビのビデオもDVDもうちにはないぞ。友達に借りたこともないぞ。バンビが観たいのかな。)

・「どんどこ、ちゅるのー。」(ドンドコするの)
(ドンドコドコドコといいながら母が机をたたくのにあわせ、手を振り回し足を踏み鳴らして踊る。「かあちゃん、じゅぶんでー」と母にも踊れと要求。しかたないので、ドンドコドコといいながら、ふらふらになるまで母も踊る。)

・「おーいちーい!あいがとっ!」(おいしい。ありがとう。)

・(母に怒られることが増えた)
母「こらー!これ、誰がしたのっ?」
写楽「しゃらく、ちたのー。かあちゃん、こらーって。こらー言うた」

・出かける父に向かって投げキッス。
「だだー、ちゅけてね。たーいまっ」(ダダ、気をつけてね。ただいま。)
母「ただいまじゃなくて、『いってらっしゃい』やんかー」
写楽「...ちゃい!」

・「かあちゃん、ちゅちー!」(かあちゃん、好きー)
・「だだ、だいちちー」(ダダ、大好き)

・絵本を開きながら「じゅぶんで、のむのー」(自分で読むの)
「○△♪∞....」
何を言うてるのか聞き取れないが、ベラベラと宇宙語を話しながら本のページをめくっている。本人、読んでいるつもり。

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ニューズウィーク日本版  気のまま雑記

8月8日発売のニューズウィーク「海外で暮らす」で、ロトルアが紹介されます。
よかったら、読んでみてください。

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