推進協議会が協会を批判「バスケをバスケ人に返して」
サンケイスポーツ 3月17日 14時6分配信
バスケットボールの元五輪選手、監督らで構成する一般社団法人「日本バスケットボール推進協議会」が17日、東京都内で記者会見し、日本協会(JBA)の新会長選考に関して「不透明」と批判。バスケの専門家がいない現在のJBA執行部が、自分たちの提言を聞かない点など、運営に不満と不安を表明した。
JBAでは6月で退任する川淵三郎会長(79)の後任として、「会長候補者選考委員会」を設置して候補を検討。その報告を受けた9日の理事会でバレーボール女子の1984年ロサンゼルス五輪銅メダリスト、三屋裕子副会長(57)を候補に選び、19日の評議員会に諮ることを決めた。
この動きに対して協議会は「手続きに法的瑕疵(かし)はないが、選考委員会が設置されたのか、誰が委員なのか、いつ会議が開催されたのか、複数の候補者の中から(三屋氏が)選ばれたのかなどの情報がホームページなどで開示されていない」と批判。また、協議会の理事で1976年モントリオール五輪代表の桑田健秀氏を協議会から会長候補として推薦したことが「一顧だにされていない。われわれの憂いが伝わっていない」(中村邦彦幹事長)と不満を表した。
こうした点について協議会では15日付で質問状をJBAに送付。17日正午までの回答を求めていたが得られなかった。
また、2020年東京五輪の開催地枠での日本の出場を国際連盟(FIBA)が保障していない現状では、「7月のリオデジャネイロ五輪男子世界最終予選(セルビア)から東京五輪を見据えたメンバー構成であるべきで、20年までのスケジュールも立てられているべき」(吉田正彦副幹事長)と、現在のJBAの強化体制への不安を表明した。
JBAが中学生以下のゾーン守備の禁止を決めたこと一つとっても「ゾーンとマンツーマンの技術は隣り合わせで、どれがゾーンなのかをどう判断するのか。審判部との詰めもできていない」(中村幹事長)と指摘。かつてミニバスケット連盟がゾーン守備禁止を導入したが、どこまで禁止すべきかの線引きをできずに禁止を断念した例を挙げ、「今の執行部は、それを知らないのではないか」とした。
さらに、現在の執行部が提言を聞かないとも批判。協議会が川淵会長や大河正明事務総長との面談を申し入れても、事務局の職員で対応されたと強い不満を表明した。
これに対して、大河事務総長は以前、「一般企業でも、外部の人がいきなり社長に面談を申し入れられても応じられない。担当の、しかるべき役席をもって対応している」と反論している。
だが「担当職員に話しても、『聞きました。上に伝えます』で終わり。大河氏らからの反応はない。それはわれわれだけではなく、JBA傘下の各連盟に対しても同じ対応だ」(草階勇人監事)と再反論。ゾーン守備禁止の問題でも、審判やミニバス連盟の提言を受け入れないと批判した。
吉田副幹事長は「三屋さんに個人的な批判はないが、俯瞰(ふかん)すると『サッカー(出身の会長)からバレーか』『このままで東京五輪までいくのか』『バスケット社会に(協会運営を)返してほしい』というのが正直な思いです」とした。
また中村幹事長は「従来は(JBAに)敵対する団体ではないといってきたが、ここ数日で状況が変わった。われわれが法的に瑕疵のない要求をしているのに返事がないのは失礼だ。これからは強行に対応することも出てくると思う」と、敵対的立場を取る可能性も示唆した。

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