ユダヤ教、キリスト教、イスラム教。
これらの宗教の聖地として有名な「エルサレム。」
オリーブ山からエルサレム旧市街を望む.
今日はこの3つの聖地を紹介したいと思う。
その前に、この宗教らの関連性を説明しておきたいと思う。
ユダヤ教とキリスト教、イスラム教はいずれも兄弟宗教で、同じ唯一神を崇めている。
最後に生まれたイスラム教では、神が人類に対する最初の啓示をユダヤ教の預言者モーゼに、二番目の啓示をイエス・キリストに、三番目の啓示はイスラム教の預言者ムハンマドに対して行ったと考えられている。
最初それを聞いた時、そうなんだーと驚いたものだが、今となっては3宗教とも男尊女卑が根強い所なんか兄弟宗教なんだなーと思う。
個人的には。
エルサレムの旧市街にはユダヤ教第一の聖地、「嘆きの壁」がある。
旧市街のスークをどんどん進んで行くと、長いもみあげ、黒の山高帽に黒いフロックコートに身を包んだ人々に遭遇する。
正統派ユダヤ教の信者たちだ。
彼らはただの敬虔なる信者というわけではなく、国からその存在を庇護されているユダヤ教のスペシャリストだ。
彼らの仕事はユダヤ教の教えを頑なに守ることであり、祈ることである。
そして彼らの生活費は全てイスラエル政府から支給される。
嘆きの壁 (西の壁) は、ユダヤ人にとってあらゆる宗教的聖地の中で最も神聖な場所である。
ここ、嘆きの壁はユダヤ教の神殿がローマ軍に破壊された際、部分的に残った神殿の外壁だ。
神殿の崩壊後、ユダヤ人は年に一度許可されている来訪の度、帰郷の夢と神殿の再建、メシアの来臨を祈り続けた。(今はいつでも来訪できる。)
壁の石の隙間には人々の悲願を記した紙が詰められ、夜になると夜露が草を伝って落ちてくる。
それが、涙を流してるユダヤ人の姿と重なり、いつしか「嘆きの壁」と呼ばれるようになったのだ。
ここではたくさんのユダヤ教徒が熱心に頭を振りながらお祈りしている。
その熱気はすさまじいものがあり、金曜の夜などは恐ろしさを感じるほどである。
ここでは男女は分かれてお祈りをするのだが、その範囲の男女差の差が激しい。
やはりイスラム教と兄弟宗教だなと改めて感じた部分でもある。
旧市街の中にはイエス・キリストが磔にされたゴルゴタの丘に建つとされる「聖墳墓教会」もある。
ここは6つの教会からなるもので、ヨーロッパなどで正直教会は見あきたというような方でもちょっと変わっていて楽しめると思う。
ここ、エルサレムがキリスト教にとって重要な地域であることは言うまでもない。
イスラエルのベツレヘムで生を受けたキリストは、生涯の多くの時間をエルサレムで過ごし、その生涯を閉じた。
聖墳墓教会だけでなく、旧市街の至る所にキリストの足跡が残っている。
主が〜された場所として(手をついたとかそれこそ主がくしゃみをされた場所なんてのがあるんじゃないかってくらいいっぱい)数多くの神聖なる場所が点在し、イエス・キリストが判決を下されるまで身を置いておられた場所やイエス・キリストが十字架を背負って通った苦難の道などがある。
その経路は、今でもキリスト教徒が、同じく十字架を担ぎながら巡礼している。
裏手にあるオリーブ山も、聖母マリアの墓や主が泣かれた教会などイエスの足跡が数々残され、キリスト教にとって重要な場所の一つになっている。
(余談だが、世界終末の日、メシアがオリーブ山に立ち死者達が復活するとして、ユダヤ人にとってもオリーブ山は重要な場所の一つであり、聖地巡礼の最終目的地にもなっている。)
そのため、オリーブ山にはたくさんのユダヤ教の墓がある。
そして、神殿の丘に建つ「岩のドーム」はイスラム教第3の聖地だ。
青が美しい岩のドーム
ここは預言者ムハンマドが、天使を従え天馬に乗って昇天した場所であり、ムハンマドの足跡が残るとされている聖岩を抱え込むようにして建っている。
ドーム内部、北の門正面の床にある緑色の石は天国のタイルだ。
伝説によると、ムハンマドはこの石に19の釘を打ち込んだとされ、やがて全ての釘が亡くなった時に、地球は元のカオス状態に戻るといわれている。
ちなみに今は3本だけ残っているらしい。
岩のドームもさることながら、岩のドームが建つこの場所は、他の宗教にとっても重要な場所である。
イエス・キリストが十字架上で亡くなった時、この地にあった神殿の垂れ幕が上から真っ二つに裂けたと言われている。
ユダヤ教に至っては、ここはアブラハムが子イサクを神に捧げようとしたモリヤの丘だとし、内部の岩は世界が創造された際の「基礎石(エペン・シュテイヤ)」といわれ、エルサレムの中心、ひいては世界の中心であるとしている。ダビデが神の契約の箱を祭った場所でもある。
とまあ、このように、3つの宗教にとってエルサレムはとても重要な場所なのである。
それゆえに、今日のパレスチナ問題に深い関わりを落としている。
旧市街を闊歩するイスラエル兵
3大宗教の聖地がそろう街、各宗教の信者にとっての憧れの地。
こんな場所、世界でもなかなか無いのではないだろうか。
追記
前々回にアップした〜はじめに〜編にも書いたのでが、私がイスラエルを訪れたのはイスラエルがガザに進行している時ではありません.
心配し、メールを送ってくださった皆様、申し訳ありませんでした.
しかし、オバマさんが就任ということで、イスラエル軍が撤退してくれてとりあえず一息つけましたね.
ここ、ケニアでは、いいえ、アフリカ中でオバマ就任はお祭り騒ぎになっています.
昨日は宿主催でオバマ就任パーティーが開かれ、夕食まで振る舞われました。
TシャツやDVDも出ています.
日本では騒がれてますかねー??

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