まだ夜も明けぬ中、私はイスラエルへ向かうべくアンマンの宿を飛び出した。
ヨルダンの国境まで数時間、不安と期待を胸に抱きながらバスに揺られる。
ヨルダン側のイミグレ手続きを終えて、いよいよイスラエルとの国境の橋だ。
この橋は徒歩禁止で、本当か嘘か歩いてると銃で撃たれるらしい。
まあ、このはちゃめちゃな国、イスラエルでは何が起こってもおかしくはない。
さあ、悪名高いイスラエル側のイミグレーションだ。
ここで変に引っかかると数時間拘束されたり、下手したら入国拒否されて追い返されてしまう。
もちろん、追い返されたくもないが更に困るのは入国スタンプを押された時だ。
ここでスタンプを押されようものなら、この後、旅人の憧れの地の一つでもあるイエメンなどのイスラム圏に入れなくなってしまう。
ここは慎重にイミグレのお姉ちゃんたちのご機嫌をとらなければならない。
余談だがイミグレで働いているお姉ちゃんたちは皆徴収された軍人達だ。
ほぼユダヤ人だと思うのだが、男も女も美男美女ばかり!
ここのお姉ちゃん目当てでイスラエル入りする男性バックパッカーもいるぐらいである。
さて、イミグレーションにいる二人のお姉ちゃんのうち、左側のお姉ちゃんの列に並んでいたのだが、どうも様子が変だ。
全然列が進まない。
しかも何やらもめている。。。
危険を察知した私は急いで右側のお姉ちゃんの列に滑り込む。
ほっ。
やっぱり正解。
シリアのスタンプがある私を、いとも簡単に通してくれた。
ラッキー☆
テロ対策の為、シリアなどの緊張状態にある国のスタンプがあると何かといちゃもんをつけられ別室にて取り調べを行われたりするのである。
もちろん逆もしかりで、イスラエルのスタンプがあると先ほど言ったイエメンやシリアなどに入国するのは難しい。
まあ、なにはともあれ第一関門は突破。
今まで一番緊張する入国だったなあ。。。。

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