珍しく家族全員と車で出かけたのに、私が用事を済ませている間に突然皆がどこかへ走り去ってしまった・・・。
「おいてきぼりにされた・・・」と、とほうにくれ、「どこに行ったらいいんだろう・・・」などと考えながら歩き出したら息子から電話が。「そうだ、携帯で連絡すればよかったんだ」と思ったとたん夢だということに気がついた。
ごくたまに、夢と現実の区別がつかなくなるときがある。
あまりにもリアルな夢は現実の出来事のように思えるし、非日常的な事・・・特に今回のように海外旅行などに出かけた後など、「本当に行ってきたのかな〜」との想いが強くなるのは娘も同じようだ。
チューリッヒで乗り換えをし、成田から約16時間をかけパリ市内のホテルに到着後、添乗員さんが夜の凱旋門に案内してくれるというので迷わず参加。地下鉄駅で切符の買い方を教わり、スリなどに気をつけるようにと注意を受け、20人ほどで出かけた帰り道は皆より一足先に自分たちだけでということになったのだが・・・。
「まかせて!」と自信ありげな娘の後に続き改札口を通り、エスカレーターでホームに降りたがどうも行きと様子が違う。壁には路線案内が貼ってあったがちんぷんかんぷんだし、とりあえずわかるところに戻り確認することにしたが、もちろん言葉はフランス語でさらにチンプンカンプン。
さあ困った!いっそのこと皆が戻って来るまで待とうかとも思ったが、目的駅を指で指すという原始的な方法で駅員さんにホームの方向を確認して、何とか無事にホテルに到着できた時はホッとすると共に、ささやかな冒険をやり遂げた満足感のようなものがあった。
フランスの地下鉄の路線には番号が付けられているので、例えば1番から2番に乗り換え目的地に着いたら、帰りは2番から1番に乗り換えれば良いわけで、方向と乗り換え場所さえ間違えなければ乗りこなせそうということを学んだのだから、多少のドキドキは仕方がないかもしれない。
翌日はパリの街を巡り、小雨がぱらつく中エッフェル塔で娘とお互いに写真を撮り合っていたら、側を通った男性が「一緒に撮ってあげる」と多分そう言って、気さくにシャッターを押してくれたのがとても嬉しかった。
また免税店ショッピングの時間には、店をそっと抜け出しルーブル前広場に戻ったら、素敵なカップルが目に飛び込んできて、まるで映画のワンシーンのような光景にため息!
ベルサイユ宮殿は、後のお手本になったというだけあってさすがの豪華さだったが、かすかに庭に漂っていた臭いは、もしかして排泄物の臭い?当時は庭で用を足していたというから・・・まさか???
旅に出るというのは簡単なようで、案外思い通りにいかないものかもしれない。まして海外へは、日程や観光場所・費用など、考慮しなければいけない条件がいくつかあるからなお更だ。
だから「フランス7日間の旅・・・」のタイトルと目が合い、出発3週間前だったにもかかわらず全ての条件がクリアできた時は、「こんなに簡単に実現していいの?」と思った。
期待に胸を膨らませ訪れたフランス。念願だったモン・サン・ミッシェルにも行けたし、ロワール地方では今にもシンデレラが現れそうなお城がとても素敵だった。
スーパーでたくさん買い物もしたし夜の街探検もし、最後は楽しみにしていたパリでの自由行動のはずだったのが・・・思いがけずにコケてしまった。
ベッドの上で過ごした最終日・・・。窓の外は青空なのにお腹が痛くて起き上がれない。悔しい!
でも何とか1日で復活でき、無事に帰国できたから良しとしよう。
日本に向かう飛行機の中でふと目が覚め、そっと窓を開けたら、夜空いっぱいにきらめく星の華が咲いていたのも今では夢の中の出来事のようだ。
それにしても、ここのところ月日の経つのが早く、1年があっという間に過ぎてしまう。
この先、1年を何度繰り返しても今の気持ち・気力が保てたらいいな〜と、心からそう思う。