梅雨まっただ中だというのに、晴れてまるで真夏のようでした。
東大寺二月堂北茶所に場所をお借りしたあゆみ観音さま。
6月は、龍眼寺や大日寺に続き15日唐招提寺、16日当麻寺中之坊、17日の今日は東大寺、18日は長谷寺、そして23日は大安寺の笹供養の夏祭りに特別参加と大忙しです。
あまりの暑さに、広大な境内の一番奥にある二月堂まで足を運んでくれるかしら・・・そんなことが頭をよぎりましたが心配無用でした。
3月のノミ入れ開始からもう3ヶ月が経過しているため、かなり立体的になったあゆみ観音さまを目の前にして、参加者は皆緊張の様子です。
「皆さんのひとノミがなければあゆみ観音さまは顕れません」と勢山さん。
ノミを入れた方々は決まって笑顔になり、ご分身をお守り袋に入れ大切そうにお持ち帰りです。
修学旅行生も「何をやっているのだろう?」と興味深げ。
団体で訪れた小学生に勢山さんが説明をし、ノミ入れ体験の希望者を募ると元気に手が上がりました。
やはり修学旅行中の中学生グループは全員が参加してくれ、プレセントのお守り袋を手に「修学旅行で一番の思い出ができて良かった!」と、嬉しい言葉を返してくれました。
長谷寺での会場は、普段入ることができない本堂内舞台を用意していただきました。長谷観音さまの前に立つあゆみ観音さまは、にこやかに微笑みとても嬉しそうです。
境内にノミ入れ式の案内看板を出していましたが、通りがかりの方たちは何をするのかが解りにくい様子。そこでチラシを片手に趣旨を説明すると、多くの人に興味を持って頂き、ご参加頂くことができました。
朝、急に思い立って長谷寺を訪れたというご夫婦や、ツアー参加の方々は、1日だけのノミ入れ式だということを知ると「こんな機会に恵まれるなんて」と喜んでくれました。
時折涼やかな風が内舞台を通りぬけ、参加してくれた方々も心地よさそうです。
“ノミ入れ=お仏像の誕生に関わること”は、僧職の方々でさえめったに経験できないとの事。
「貴重な体験をさせていただいてありがとうございました」
「これもご縁ですね」「完成したあゆみ観音さまにも会いたいです」などと嬉しい感想をいただきました。
遠くからわざわざ駆けつけてくれた友人ご夫妻もいて、ただただ感謝の気持ちで一杯です。
あゆみ観音プロジェクトの皆さんはもちろん、ノミ入れの傍らでいつも尺八の演奏をして くださる泉川獅道(いずかわしどう)さんともすっかり顔なじみに。
毎回はお手伝いできなくてもこれからもがんばろうと、美しい緑に覆われアジサイが咲き誇る長谷寺を、後ろ髪を引かれる思いで後にしました。
6月末までに18ヶ寺、7月2・3日には信貴山朝護孫子寺の「毘沙門天王御出現大祭」に合わせてノミ入れ式が行われます。