目の前に大仏様が!
大きなお仏像を目の当たりにして、図面とは迫力がちがうと仙行寺の皆様は大興奮でした。
今回彫造の二丈大仏釈迦如来像は、像高が約4m、床面から光背までの高さは5.4mになるそうです。
この大仏様が雲に乗り、宙に浮かんでいるお姿を表現するというのですから驚きです。
勢山さんの坐像では一番の大きさになりますが、これまでの一丈六尺像や一丈八尺像の制作経験がなければ成し遂げられない大仕事。
設計はもちろん、原型制作や用材の選定、木寄・彫造・荘厳など気が遠くなるような多くの工程が順調でなければお姿を見ることができません。
勢山社の工房には、大仏様が安座されるお堂と同じ設置条件で架台が組まれており、制作途中とは言え、大仏様はその上でもう威厳を放っていました。
一同立ち位置を変えては大仏様を仰ぎ、勢山さんの説明に耳を傾けます。
体内には発願の銘札と、八千巻の御写経が納められるとのこと。
胎内構造の説明のため、クレーンで膝前が分解されると更に驚きの声があがりました。
実際にお身体の中へ入り内刳りスペースの確認も行われ、勢山さんの意図した完成時のイメージもつかめたようで、仙行寺の皆さんはとても満足な様子です。
そんな光景に、設計士さんや現場責任者の方などと何度も打ち合わせが行われたことを思い出しました。
細かな事1つ1つを確認し、熱い思いが飛び交う場面に同席させて頂いたこともあったので、関係者の一員として嬉しさ倍増です。
また、工房の天上高や奥行などの構造がお堂と似ている事もあり、大仏様に近づくにつれて徐々にお姿が見えてくる様子を、感慨深げに何度も確認していた仙行寺前御住職の姿がとても印象的でした。
そして、「みんな喜びますよ!」と。
その言葉には勢山さんへの信頼が溢れ、その場に立ち会った全員が、池袋の大仏様として活躍されることを確信した見学会となりました。
6月初旬に日蓮宗仙行寺へ奉安予定の「二丈大仏釈迦如来像」は、いよいよ仕上げの段階に入ります。
同時に光背や雲坐などの制作も行なわれるため、勢山社はしばらく大忙しの日々になりそうです。
お納めの日が良い天気になりますように。
ちょっと気が早すぎですが、池袋の大仏様の誕生に関する全てが順調に進むよう願い、心の中で手を合わせました。