「仁王さん、布袋さん、大観音さんお久しぶり!」
兵庫県三田市永澤寺へ伺うのは、2014年のお身拭い以来3年振りです。
数日前から寒波が到来していたので雪にならないか心配でしたが、スッキリ冬晴れになり一安心でした。
永澤寺では、1年最後の観音様縁日(毎年12月18日)に「おさめ観音まつり」が行われています。
10時30分からのおさすり布袋尊大祭では、読経の後参列者全員がお焼香をして布袋さんをおさすりしました。
きりりと引き締まった空気の中、笑顔の布袋さんに触れて身も心も浄められるようでした。
布袋さんには金箔が貼られているのですが、おさすりの頻度が高い場所は箔がはがれて下地の漆が見えています。
多くの方々が願いを込めて下さった証拠と、ご住職も満足そうでした。
11時からは、大観音さんの前で大念珠回しが行われました。
総高9m威厳ある大観音様の美しさは相変わらずで、しばし見とれてしまいます。
「南無大悲観世音」と歌うように唱えながら大きな数珠を繰り、親玉が回ってくると押し頂いて念を込めるとの事。
和気藹々とした雰囲気の中に真剣な表情もありました。
ふと気が付くと、もう一つのメロディが聞こえいつの間にかハーモニーとなっています。
あとで聞いてみると、輪の中央で副ご住職が三十三ケ所観音ご詠歌をお唱えしていたからでした。
二つの御詠歌が重なって、不思議な心地よさが漂っていました。
そして12時からは、おさめ観音祈願法要です。
御詠歌(観世音菩薩御和讃)の奉詠をされている方の中に見覚えのある姿があり、お元気そうで何よりと嬉しくなりました。
厳粛な雰囲気で法要が進められ、参詣者への加持祈祷に続き祈願者名が読み上げられていきます。
法要後にはご住職と、お像たちを制作した勢山さんのご挨拶がありましたが、30年近いご縁に感無量の様子でした。
合間をぬってお弟子さんが行なっていた、内心仏(仁王さんと背中合わせにいらっしゃる観音様)のお身拭いも終わり新年を迎える準備が終了です。
13時30分からは、そばがゆと大根炊きのご接待がありました。
軟らかく煮えた熱々の大根がとても美味しく、たくさん頂いてしまいました。
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翌日は、一丈六尺の阿弥陀如来像が納められた岐阜市安祥院へご挨拶に伺い、簡単なお身拭いを。
こちらでも「お久しぶりです」と手を合わせました。
そして午後には、一丈八尺千手大観音像のお身拭いのため焼津市全珠院へ。昨年から恒例になりましたが、中々ハードな日程です。
到着後、檀家さんたちともに千手さんにご挨拶をして開始。
「時間がある方はお身拭いの様子をご覧ください」とご住職の声掛けがあり、多くの方に見守られながらお身拭いが始まりました。
高い位置でのお身拭いに、見守る方々もドキドキ?
埃が払われ、お身体に輝きがよみがえる様子に目が離せない様子です。
帰り際に「めったに見られない光景でした」と、丁寧にあいさつをして下さった方もいました。
お身拭いは、お仏像たちのその後の様子を確認するための大切な時間にもなっているそうです。
勢山さんにとって、お仏像たちが元気に活躍されていることが何よりの喜びに違いありません。
来年2018年には、二丈の大仏さんや、閻魔さんなどが誕生します。
年末年始の休みを返上して、制作中の閻魔さんに取り組むという勢山さん。
仏師さんも中々大変です。
2017年があと1日になりました。
今年も大切な人を亡くされた友人・知人が少なくありません。
健康のありがたさと、健康でいられることの奇跡を痛感した年でもありました。
今できる事、しなければいけない事を見逃さずに!
ありきたりかもしれませんが、そんなことが頭に浮かびました。