68歳で他界した父の墓地は日向川にほど近い。
海釣りはもちろん、渓流釣りが好きだったからさぞかし喜ぶだろうと選んだのだが、近くに大山日向登山口があるので、お墓参りのついでに時々山登りをすることがある。
娘や息子から「お墓詣りはついででしょ」と言われるが確かにそうかもしれない。
台風21号が通過した後、庭に咲いた小菊を持って久しぶりにお墓詣り&ちょこっと山登りへと思い立ったが、残念なことにすっきりした秋晴れにはならず雲空だった。
伊勢原市日向の浄発願寺霊園のモミジが色付き始めていて、三重塔とのコントラストが美しい。
途中の木々にも秋の装いが見られたのに、登山口までの林道には木の枝が散乱したり水が出たりしている所があり、やはりいつもと様子が違う。
日向川の水量も多く水はきれいで、音を立てて流れる様子はまるで小さな奥入瀬のようだ。
山道はもっと荒れているかもしれないと思ったが、状況が解らないので早々と下山してきた人に尋ねたら「大丈夫ですよ」と返事が返ってきたので一安心。
それでも、いつもの登山口を通り越してさらに林道を歩き、途中から山道で見晴台まで行くことにした。
久しぶりの登山はやはり気分が良い。
登山道の状態は良く、台風の形跡が全くないのは風向きが反対だったからだろうか。
心地よい汗をかきながら登ると、身体が活性化しているような気がするから不思議だ。
見晴台までもう少しというところのお地蔵さんにご挨拶をして、更に登ると眼下に大山阿夫利神社下社が望め、ほどなく東屋が見えて来た。
ここまで、日向薬師バス停から1時間半ほど。
手頃なコースで、11月半ば過ぎ頃から登山道の紅葉も楽しめるからお勧めだ。
10月は爽やかな良い季節のはずなのに、真夏のような暑さが続いたかと思えば急に気温が下がり、秋を飛び越えて冬のようになったり・・・。
おまけに超大型の台風が大接近して通過後、やれやれと思っていたら次の日曜日にはまた22号が!
台風一過でようやく秋晴れになったと思いきや、昨年より10日早くこがらし1号が吹きこれからぐっと気温が下がりそうだ。
そんなこんなで、今年は日々の天気に一喜一憂することが多かったような気がするが、一喜一憂どころか日々の生活に影響があるような被害に合われた方を思うと胸が痛い。
日常を普通に過ごせる事のありがたさをしみじみ感じるのは、それなりに年を重ねた証拠なのだろうか。
街路樹のケヤキやハナミズキの葉が秋色に変わり始めたら、ウズウズするのはいつもの事。
ウズウズするのは元気な証拠と言い訳をしながら、変わりゆく季節を楽しもうと思っている。