久しぶりの上高地行きの日は晴天になり、期待に胸が膨らんだ。
天気予報とにらめっこをしてようやく実現したのだが、たった3時間滞在だから時間を有効に使わなければ。
大正池からの焼岳は穏やかな様子でホッとする。
8月10日に小規模な噴気が上がり、もともと活火山なので噴火の心配がなきにしもあらずという状態。
心配したらキリがないが、もし噴火が起きれば孤立してしまうかもしれない場所だ。
そもそも大正池は、焼岳の大噴火で梓川がせき止められて誕生したのだから、目の前の素晴らしい景色が現れるまでの大自然の営みを考えると、この場面に出会えている事が奇跡とすら思えてしまう。
大正池といえば立ち枯れの木がシンボルだったのに、その数が減っていて驚いた。
焼岳からの土石流流れ込みなどで大正池の面積が年々減っているらしいので、いつかこの美しい景色が見られなくなる時がくるのかも。
明神岳や穂高の山並みに魅了されたのはもちろん、田代池周りは初秋の装いでもう草紅葉になっていて、急遽出かけてきた甲斐があったと満足だ。
本当は上高地ならではの美味しいランチやスイーツにも興味があったけれど、私たちにとっては素敵な空間が何よりの御馳走だった。
歩いたのは河童橋までのポピュラーコースだったが、8月に叶わなかった非日常を満喫し、今年の夏の思い出が完成だ。
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見上げれば抜けるような青空が広がっている。
台風が大気の汚れを一掃してくれたのだろうか?
自宅周辺でこんな空を見たのは初めてかもしれない。
というか、日々の生活の中ではじっくりと空を見上げる事って少ないのかも・・・。
ふと上高地での景色が頭をよぎった。
いくつか角を曲がりまた見上げると、ん?空の色が薄くなってしまったのは何故?
実は太陽の方に向かっていて逆光気味、さっきは太陽を背にしていたから順光気味だったのだと気付いた。
写真を撮る時に最も大切なのは、どう光をとらえるかだ。
順光と逆光などを使い分けるのはもちろん、陽射しが邪魔になる場合もあるから、被写体によって天気や時間帯を選なければいけないことも。
でも、大自然の中ではやはり良い天気のほうが嬉しい。
青空と白い雲に恵まれた風景は美しさが倍増で、目の前にそんな光景が広がるとワクワクする。
山並みは迫っていなくても、身近な場所でも見上げれば大空が広がっているのだから時々は立ち止まらなければ。
そんなことを思いながら帰宅したら庭先の蕗と目が合い、「早く料理して」と言ってるような気がしてさっそく収穫を。
塩をまぶして板ずりし、茹でて皮むきをしたけれど料理前の下ごしらえは中々大変だ。
家庭菜園ともいえないような狭い場所で育つニラは、切っても切っても再生してくれて元気だし、毎年勝手に出てくれてお役立ちの青紫蘇が実をつけ始めている。
今年は佃煮にチャレンジしてみようかしら。
平凡な日々と、特別な時間のどちらも大切なのはいうまでもない。
地震、雷、火事、○○○?だけでなく、怖い事が増えているような気がしてならないこの頃だからこそ、無事に過ごせていることに感謝しなければと、つくづく思う。