「お疲れ様でした!これからは人生の放課後を楽しんで下さいね」
親しくしていただいている先輩ご夫婦に、退職報告メールをしたらこんな返信があった。
「人生の放課後」
なんて素敵な表現なのだろうと思い、さっそく夫に話すと「じゃあ部活をしなくちゃね」。
どんな場所でも誰とでも、こういう言葉のやりとりは大切だ。
桜が満開になったのにスッキリしない天気が続いていたけれど、せっかく桜三昧宣言をしたのだからじっとしているわけにはいかない。
普段はどうしても野山に誘われてしまうが、たまには都会も良いかな〜と、まずは横浜へ。
山下公園や港の見える丘公園の桜って初めてかもしれない
特に港の見える丘公園は何十年ぶりだろう・・・。
もしかしてデートコースだった?
若かりし頃のかすかな記憶がよみがえる。
桜はもちろん公園内には鮮やかなチューリップなどが咲き、洗練された美しさをゆったりと堪能した。
今年の初日の出詣でで訪れた吾妻山の桜は、青い海とのコントラストに富士山が加わり、晴れていれば絶景のはずだが曇っていて残念だ。
それでも、芽吹き初めの木々に覆われた遊歩道ウォークはやはり心地良い。
芝桜も咲き始めていて、桜との共演にうっとりだった。
「一度来てみると良いよ〜」と、古くからの友人情報で訪れたのが、以前住んでいたエリア近くの桜並木。
川面に枝垂れる満開桜の素晴らしさに、ただただ感激だ。
恩田川沿いの遊歩道に桜が植えられたのは我が家が引っ越ししてからだが、まだ小さかった子どもたちを自転車の前後に乗せて突っ走ったな〜と懐かしく、思い出話にも花が咲く。
そして、自宅からの定番ウォーキングコース、引地川沿いの桜がいつの間にかりっぱな並木になっていた。
黄色い西洋からし菜が、優しげな桜色を強調してくれている。
ん?今日は久しぶりに青空が出ていて、風が吹いているわけではないのに花びらが舞っているのはなぜ?
不思議に思い良く見たら花ごと落ちている。
枝から枝へ飛び回っているメジロが、蜜を吸うために花を食いちぎっていたのだ。
花の茎をなめたら確かに甘い!
メジロの気持ちが解るような・・・。
落ちたての花がもったいなくて拾い集め、ガラスのお皿に水を入れ桜の花を浮かせてみたらすごくきれい!
メジロからのプレゼントで、テーブルコーディネイトの出来上がりだ。
退職時に頂いた花束などが窓辺で咲き誇っているから、家の中も春らんまんで嬉しい。
小さな庭に何とか作った一坪ほどの畑では、絹サヤの白い花が元気いっぱいだ。
そういえば、昨年友人からもらい庭の片隅に植えた蕗がずいぶん増えた。
そろそろ食べごろかも、柔らかいうちに料理しようかな〜。
花冷え・花曇り、そして今日は花散らしの雨と風・・・。
4月初めは、日本語ならではの美しい表現がぴったりの日々で色々な風情の桜に出会えた。
さて、人生の放課後に何ができるかはこれから考えよう。
もちろん、今まで続けてきたこともたくさんだが、できなかったこともある。
せっかくの時間をどう使いたいのか・・・自分自身にじっくり問いかけたいと思う。