風薫る爽やかな季節、5月があっという間に終わろうとろうとしている。
自分の生まれ月でもあるからか、花々が次々と咲き木々の緑が変化を見せるこの時期が大好きだ。
誰でも思うことかもしれないが、ゴールデンウィークには何処に行こうかと頭を悩ませる。
せっかく良い季節なのだから山歩きもしたいし温泉にも入りたい。
東西南北どちらの方向にしようかと、あれこれ考えるのは楽しい。
「やっぱり奈良へ行かなくちゃ!!」と、いきなり言ったので傍らにいた夫は、また始まった・・・とそんな様子。
実は完成した“あゆみ観音さま”に会いたいとずっと思っていた。
ノミ入れ式が終了し、その後渡邊勢山さんによって制作が進められ、3月末に愛らしいお姿の“あゆみ観音さま”が誕生していたのに、まだお会いできていなかったからだ。
当麻寺中之坊さんから始まったお披露目は、5月3日から6日までは長谷寺さんだったはず、と思い立ったらいてもたってもいられない。
ぼたんまつり真っ最中の長谷寺は大賑わいだった。
ぼたんは後で観賞させてもらうことにしてまずは本堂へ。
長谷観音様の前にあゆみ観音さまを見つけたが、すごい人出でなかなか正面に行けない。
突然「あれが、震災復興支援のあゆみ観音さまよ」と声がしてビックリ!きっとノミ入れ式に参加してくれた方なのだろう。
何だか嬉しくなってしまった。
ようやく長谷観音様とあゆみ観音さまに手を合わることができたが、あまりの人の多さにその場で立ち止まれない。
1年をかけて彫り進められてきたあゆみ観音様には、多くの方々の想いが込められている。
私もノミ入れ式のお手伝いなど、貴重な経験をさせていただいているので感慨ひとしおだ。
やっぱり来て良かった。
舞台から見下ろせば、色濃い緑に覆われた境内が美しく吹く風も爽やかだ。
特別拝観中だった長谷観音様のおみ足に触れて願い事をし、結縁の五色の腕輪をつけてもう一度正面から両観音様にご挨拶をしてからは境内散策をすることにした。
ぼたんはもちろん、ツツジやハナミズキ、シャクナゲ・ヒメウツギなどが咲き誇りそれはそれは美しかった。
それにしても良く歩いた。
夜行バスで京都に到着したのが早朝5時半頃で、近鉄に乗り長谷寺駅隣の榛原駅到着は8時少し前。
榛原駅から鳥見山公園公園経由で東海自然歩道を歩き長谷寺を目指す。
標高735mの鳥見山手前の鳥見山公園はつつじの名所。花の見頃にぶつかりラッキーだ。
榛原駅から1時間近くで鳥見山公園に到着。
見晴台では、満開のつつじの先に宇陀市内と大和の山々が一望できた。
こういう景色は飽きないが、まだまだ先が長いからあまりのんびりしているわけにもいかない。
林道やヒノキ林を経て、まほろば湖をせき止めた初瀬ダムに到着し木陰でおにぎりランチタイムを。長谷寺まではもうひと頑張りだ。
「夜行バスで来てよく歩くね」「やっぱり自分旅は楽しいね」と、こういう時は意見が一致するから面白い。
榛原駅から長谷寺駅までは12q。
プラス長谷寺境内をくまなく歩いたのだから合計歩数はどのくらいだったのだろう?
万歩計を忘れたのがちょっと悔やまれるが結果は大満足だ。
帰り道、長谷寺の参道でアイスクリームを買い、何気なくベンチに腰かけたら目に旅館があり天然温泉の看板が!
実は看板があったかどうかは記憶が定かではないけれど、温泉であることと日帰り入浴ができるかを確認して、念願の温泉にも入ったのだから我ながらスゴイ!!
連休後家族にちょっとしたアクシデントがあり、自分の事は後回しの日々だ。
ようやく少し時間ができたので、ゴールデンウィーク旅を懐かしんでいる。