当麻寺中之坊から始まったあゆみ観音さまノミ入れ式は、引き続き奈良県各地で行われ、5月4・5日に兵庫県三田市「永澤寺」で、5月12日には埼玉県東松山市「曹源寺」でも開催されました。
永澤寺と曹源寺には、勢山さんが彫像したたくさんのお像や修理像が納められているご縁で、賛同を頂きノミ入れ式が実現したのです。
永澤寺境内は八重桜や色とりどりのチューリップなどが咲き誇り、あふれる緑と美しさを競い合っているかのようでした。
近くのボタン園や芝桜園が見ごろのため、この時期は特に多くの人が訪れるとのこと。
ノミ入れ式案内チラシを手に、家族連れなどの方々が参加してくれました。
初対面のあゆみ観音さまにノミが入れられる様子を、金箔が押された永澤寺一番人気の布袋さんが見守ります。
「震災に関して何かしたいと思っていました」「貴重な経験ができて良かったです」と参加者の方々の声。
広い境内にノミ音が響きます。
それぞれの想いが込められた貴重なひとノミです。
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思い返せば8年前、勢山さんから「はなまつりの様子を取材して来て」と頼まれ、ドキドキしながら曹源寺さんを訪ねたことを思い出しました。その日がなんと5月12日!
今回と日が一致なのでビックリです。
本堂では釈迦誕生仏と弥勒菩薩像(昭和63年勢山さん彫像)、そしてあゆみ観音さまがお待ちかね。
“粋輩”の皆さんによる和太鼓の演奏が始まりました。
訪れた人々は白象に乗った釈迦誕生仏に甘茶をかけて手を合わせ、太鼓に耳を傾けながら本堂へ。
突然「いつもありがとう」と声をかけられ、覚えてくれていたのだと嬉しくなりました。
本堂は満席状態。
開演・開式のことばに続き、お釈迦さまの誕生日をお祝いする法要が始まりました。
法要とノミ入れ式の後ははなまつり恒例橘家富蔵師匠の落語が。久しぶりなので楽しみです。
般若心経が唱えられる中、ご高齢の方から子どもさんまで280人の方々があゆみ観音さまにノミを入れ、ご分身が入ったお守り袋を大切そうに受け取りました。
「陸前高田でのあゆみ観音さま開眼慰霊法要にも参加します」とのありがたい声もありました。
まるで故郷に帰ってきたような・・・そんなやすらぎを感じさせてくれるのは、皆さんの“はなまつり”を大切に思う心があふれているからでしょうか。
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3月10日の開始から早や2か月。これまでにノミ入れ式は10ヶ寺で行われました。
もちろん私は全てには参加できませんが、ゴールデンウィークは家族で奈良旅行を計画していたので、橿原神宮に隣接する久米寺のノミ入れ式に急遽伺うことにしました。
この活動の様子をあれこれ話してはいても、参加して感じてもらうことはとても大切。
何より、家族に理解し応援してもらえるのは嬉しいです。
初夏のような天気に恵まれ、つつじが満開の境内は大賑わい。
「あゆみ観音さまノミ入れ式」の看板を見て関心を持ってくれた方や、晴れ姿のお稚児さんもノミを入れてくれました。
幸運だったのは、5月3日が久米寺恒例の練供養会式だったことです。
現世と浄土をつなぐ100mの架け橋を25菩薩が練り歩き、その荘厳な様子に皆目を奪われていました。
あゆみ観音さまとご縁を持つことで被災地を思ってくれれば・・・いつもそんなことを考えながらシャッターを押しています。
こういう形であゆみ観音さまとご縁ができ、喜んでいるのは私自身なのです。
6月のノミ入れ式は、竜眼寺・唐招提寺・当麻寺中之坊・東大寺・長谷寺・大安寺で開催。
7月2・3日の信貴山朝護孫子寺が最終となります。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/butuzou/index.html
http://www.taimadera.org/news/event05.html