目の前に広がる素晴らしい光景!
まぶしく輝く夕日が、その時まさに奈良の二上山に沈もうとしていたのに・・・。
遠い昔、中将姫もこんな夕日を見たのだろうか。
せっかくのビューポイントからのシャッターチャンスは、あえなく終わり、あわてて撮った写真は悲しいほどに真っ黒け!
その光景が、目に焼きついているだけに悔しくてたまらない。
写真って本当に難しい。
というか、私自身難しさが何一つ解っていないという恥ずかしさ・・・。
室内・屋外・昼・夜・順光・逆光・静と動などなど、被写体やその時の状態に応じた撮影方法・・・などと考え出すと、露出を変える程度の今の撮り方ではいざという時に通用しないのは当たり前だ。
勉強しなければ・・・と思いながら出来ていない。
と書き出しがちょっと暗めになってしまったかしら?
何時か色鮮やかな夕日を撮ってみたい・・・そんな想いが通じたのかもしれない。
駐車スペースの一角で、場所取りをしているのか三脚が目に留まった。
カメラの先を見ると、うっすらと富士山が姿を現している。
海からは巨岩が突き出し、その先には松をかかえた小さな半島(?)までもが見え、それらのシルエットが何んともいえなく美しい。
秋も深まったこの時期は日暮れが早いし、空気も澄んでいて夕日を撮るには絶好の季節だ。偶然立ち寄った秋谷海岸からの眺望を狙うカメラマンは、早々と撮影準備をしていた。
太陽の位置はまだ高いから、二上山の時と違って時間はたっぷりある。
空がだんだんピンク色に染まってきた。
太陽が雲に隠れ再び姿を現す時、強い光を放ち海や雲の色をも変える。
あいにく三脚は持っていなかった。
だんだん薄暗くなってくるから手持ちではピンボケになるだろうか・・・と、不安が頭をよぎる。
でも反面身軽だ。
何人かが三脚を据えている近くから、海を見下ろす構図で数枚を撮り場所を移した。
プレビュー画面で画像を確認し、露出などをこまめに変え撮影し何回か移動を繰り返す。
同じ被写体でも、撮る角度などでその表情がガラッと変るから面白い!
撮り始めてから太陽が沈むまでが30分ほど。
最後は砂浜に降りて、刻々と変る様を堪能した。
富士山のシルエットが濃くなり、夕闇があたりを包み遠くに灯りが見え始めた。こうなるとさすがに手持ちでは無理だ。
現在ニコンD80を愛用している。
カメラの性能が良いせいで、何枚かはお気に入りが撮れたのが嬉しい。
楽しいひと時だった。
もっときちんと勉強をしなくては・・・と思った。