深夜、遠くにオートバイらしき音が鳴り響き、それは20分ほども続いただろうか・・・。
さすがに夜は冷え込むようになって、つい暖房を入れてしまうこの頃。
家の中でさえそうなのだから、外はだいぶ気温が下がっているのだろうに・・・。
ふと、11月の初めに娘の誕生祝いを兼ね、親子3人で出かけた時のことを思い出した。
久しぶりに山中湖周辺を散策したのだが、偶然訪れた浅間神社の木々が艶やかに色づいていたし、道路近くなのに割合に静かだったので一休みをすることに。
朱に塗られた社殿やお神輿が保管されている建物などと、真っ赤に染まったもみじのコントラストが美しく、つい写真を撮ることに夢中になってしまった私に、「また始まった!」とばかりに、父娘は仲良くベンチに座り持ってきたおやつを食べ始めた。
いつもの事だけど、これを撮りたいな〜と思うと結構夢中になってしまうから、その場に一緒にいる人は迷惑かもしれない。
それにしても、神社やお寺というのは不思議な空間だ。
観光社寺でなければ無料で誰でも自由に入れるし、敷地内は綺麗で木々も多いのに加え、最近は季節の花に彩られているところさえある。
何だかふるさとに帰ってきたような懐かしさと、落ち着きをも感じながら、ふと子どもの頃を思い出してしまった。
当時は、今のようにあちこちに公園があるわけではなかったので、近所のお寺や神社が子どもたちの遊び場になっていたような気がする。
鬼ごっこやかくれんぼ、時には木登りをしたりと、男の子も女の子も、小さい子も大きい子も一緒になって暗くなるまで遊んだ遠い昔・・・。
そして、夏には盆踊りがあり、秋祭りがあり、そして時々屋外映画会などもあったような?
そうそう、夏休みのラジオ体操や紙芝居も!
それがお寺だったか神社でだったか、もうごちゃごちゃだけれど、そんなことが頭に浮かび、つい時が経つのを忘れていた。
突然、そんな想いがかき消されるような大爆音が、あたり一体に響き渡った。
多分オートバイの群れなのだろう・・・。
浅間神社は、道路から数メートル高いところに位置しているので、その姿は見えないし見に行こうとも思わなかったけれど、10分ほども続いたその音を聞きながら、何だか悲しくなってしまった。
そんな事があったせいか、久しぶりに親子でのんびり過ごした2日間がとても大切に思え、そして、あの時と同じ音を聞いた事で、更にその想いを強くした晩秋の夜だった。