前回の木曽方面ハイキングから一週間後、北八ヶ岳に訪れてしまった。
なんとういう贅沢な秋だろう!
目の前には大パノラマが広がり、北アルプスから中央アルプス、そして南アルプスまでもがはっきりと見えた。
北アルプスをはじめ乗鞍などはもう雪化粧をしている。
この季節これほどの山々と、こういう対面をしたことが無かったので、思い切って出かけてきて本当に良かったと思った。
ピラタス蓼科ロープウェイ山頂の坪庭は4年ほど前に、白駒池付近は去年の夏に訪れているが、坪庭から白駒池までを歩くのは今回が初めてだ。
しばらくして振り返ると、シラビソが帯状に枯れている珍しい様相の縞枯山が見えた。これは縞枯現象といい、そのメカニズムははっきりとはわかっていないようだが、何だか不思議な景観だ。
ふと「いいにおいがするな〜」と思った。
今までの山歩きでは感じたことの無い甘い香りだ。あたりを見回しても花が咲いているわけではないので、ガイドさんに聞いてみたらシラビソなど針葉樹の香りとの事。昨日まで雨だったので、今日はいつもより香りが強いようだ。
良い香りと素晴らしい景色に恵まれ心はさらに浮き立つ。シラビソは枯れ果てた後自然のオブジェとなり、初夏に涼しげな花を咲かせるゴゼンタチバナも赤い実をつけ、私たちを楽しませてくれた。
ちなみに、シラビソの寿命は100年ほどだが、枯れた親木の近くで次の世代が順調に育っているのが何ともいえず愛おしい。
コースはほとんどが緩やかな下り坂。木の根と大きな石が入り混じり所々ぬかるんだところもあったが、木漏れ日に包まれた樹林帯は美しく、足場がわるいのはそれほど気にならなかった。
そういう道をさらに進み、最初の分岐「出会いの辻」に到着。
残念なことに、悪路なのでこれ以上山道を進めない・・・という人が出てしまい、添乗員さんが近道を集合場所まで案内することになった。
30名で出発したツアーだったが、最後尾を確認する人がいなくなったので、何故か私たちがその大役をおおせつかってしまう。
その理由は?写真を撮りながら進むので、毎度お馴染みのビリを競っていたからかも・・・?
う〜ん、中々良い人選かもしれない。
いつのまにか自称写真班は最後尾にかたまり、それぞれがお気に入りの被写体にレンズを向けながら歩いている。
そのうちの一人が、黄色いきのこのようなものを見つけ教えてくれた。
なんだろう?見たことがないからあとでガイドさんに聞いてみよう。
歩き始めて約時間ほどが経ち、ようやく麦草峠に到着。一気に視界が開け、北八ヶ岳の一つの「茶臼山」が気持ちよく青空に映えていた。
