「丸赤製菓糸田川商店」をご存じですか?
私は、ある企業グループの人事労務担当で構成する「インフォーマルな会」に所属しています。ここでは四半期に一度、他企業からスピーカーをお呼びして、その会社の取り組みを自由に語っていただくのです。もちろんインフォーマルですから、講演料は無料、その夜の懇親会はただでご招待というところです。
《チャーミングな女性講師との出会い》
従って、どんなスピーカーをお呼びできるかが事務局の腕の見せ所。でも、結構いいスピーカーにお越しいただけているのです。
その会の秋バージョンが先週行われ、
「丸赤製菓糸田川商店」の常務取締役・糸田川優子さんにお越しいただきました。パワーポイントの操作係はそのお姉さん。お二人ともとてもチャーミングな女性でした。以下の写真は懇親会での糸田川知子さん、優子さんの2ショット。右が講師の優子さん。)
《日本のボンボン市場でシェア7割を占める》
実は三姉妹(末の妹さんを含めて)で、父上、母上を支えながら、「ボンボン」づくりに勤(いそ)しんでおられるそうです。丸赤製菓糸田川商店は、大正15年にウイスキーボンボンの製造をスタートした老舗の会社(大阪市東淀川区、従業員20名)ですが、
売上げは国内ボンボン市場の7割を占めるとか。同社のHPを添付します。
http://www.maruakaseika.co.jp/
《「ボンボン」はリキュール入りスィーツ》
ところで遅ればせながら
「ボンボン」ってご存じでしょうか?砂糖製の殻でリキュールを包みこみ、さらにチョコレート等でコーティングしたものです。
ウイスキーボンボンとはリキュールがウイスキーで、焼酎だと焼酎ボンボン、梅酒だと梅酒ボンボン。
今もウイスキーボンボン食べながら投稿していますが、
噛むと口の中にウイスキーが舌に広がり、ざらっとしたザラメ砂糖の味わいとのミキシングが何とも言えません。
下の写真は糸田川優子さんがボンボンを食べているPR写真です。私が小学生の頃、父がお土産でもらったウイスキーボンボンの袋を持ち帰ったので、開けて食べるみるととても美味しかった思い出があります。でも
一粒の中に含まれているウイスキーはごく微量なので、未成年者が食べても大丈夫です。
《「ウイスキーボンボン」を知らない若者たち》
ところが、今の若者はお酒をあまり嗜(たしな)まないようで、主な客層は中年以上とか。
今後の販売ターゲットは、「ウイスキーボンボン」を知らない若者たちをいかに取り込むかにかかっています。
たとえば「フルーツボンボン」はアルコールは一切含んでいないので、若い人達にも人気上昇中とか。まさに若き三姉妹の腕の見せ所ですね。
《ボンボン製造は匠の技/父から娘への技術伝承》
でも、チョコレート等の中にリキュールが含まれているので、夏場の製造は品質管理が難しいようで、
製造期間は9月中旬〜翌年5月(ゴールデンウイーク頃)。このため、期間限定雇用の従業員が多く、その年の製造開始前に人を確保するのが苦労だとか。
また、ボンボンづくりは習熟に大半年数のかかる精巧な手作業で、三姉妹は全員、それまでの勤めをやめて、順次途中入社してきたため、お父上から、まだ一人前のマイスターの認定はいただいてないとか。
でも、ボンボンづくりの技術は父から娘(一部、娘婿)へと伝承していくことが必要です。糸田川優子さんは、朝から夜まで働き通しですが、そこは若い美空。夏場の閑散期にはまとまった休みを取って旅に出られるとか。
《とっても面白かった講演》
こんな丸赤製菓糸田川商店の「一家奮闘記」を語る優子さんの講演はとても面白かった。この種の講演は、たいていどこかで眠気が出てくるのですが、今回は最後まで話に惹きこまれました。
それも糸田川家の皆さんが、ボンボンの製造と販売に知恵と汗と情熱を注ぎ込んでおられる姿が、お話の中から伝わってきて、それが聞き手の琴線に響いたからだと思います。
「日本の匠の技は捨てたものじゃないなあ」と改めて認識いたしました。

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