今年の我が家は「変化」の年に
毎日、英語漬けの息子
我が家では今年、大きな変化がある。28歳の息子が、この
5月下旬に結婚し、
夏以降、米国の大学院(MBA/経営学修士取得コース)に2年間留学することになった。
相手は日本人(同じ会社の社員)だから結婚と渡米は関係ないが、二人揃って向こうに行くので、米国で初孫出産ということもあり得る。そんなことになれば、妻はいそいそと米国に出かけ、しばらく滞在することになるだろう。
選考試験をくぐり抜け、留学の資格を得たのは喜ばしいことだが、まずは、
向こうの大学で、ネイティブと一緒に、英語の授業を受け、英語でディスカッションし、英語のレポートを書けるレベルまで、自分の英語力を高めた上で、目指す大学院の入学試験に合格する必要がある。
これは、
帰国子女でない日本人にはかなり高いハードルである。
米国の大学は、
「入るのは簡単だが、出るのは難しい」と言われるが、これは日本の企業が留学生を送り込むような
一定レベル以上の学校には当てはまらない。
@TOEFL(=英語を母国としない人の英語力を測るためのテスト)
AGMAT(大卒者の経営的資質を評価するテスト)
で、その学校が要求する成績をおさめた上、エッセイ(テーマは学校が設定)とともに各学校に提出し、先方から連絡があれば「最終面接」という段取りになっている。
受験者は、
アジアでは中国、インドや韓国等の学生であり、まさに
グローバル競争の最前線と言えなくもない。
このため彼は、帰宅後、夜遅くまでリスニング、スピーキング、ライティングの対策に余念がない。
彼の計画では、複数の大学院に提出(5〜6校出願は普通らしい)し、春の間に留学先を決めたいとのこと。(私にもエッセイについて相談があったが、父親として、ごく常識的なアドバイスをしたに過ぎない)
しかし、
もっと大変なのは渡米してからである。
世界中から来ている人たち(多くはビジネスマン)と、2年間過ごすことで、
グローバルな人的ネットワークが広がり、一生の友人も出来るだろうが、毎日が切磋琢磨の真剣勝負の場となるだろう。
◎冬の日に凧揚げ教えた幼子が 世界をめざし羽ばたく兎年(なりひら)
欧米人が見た「企業の中の日本人」
以下は、
「日経ビジネス」で読んだ記事のエッセンスである。最近は、多国籍の社員を採用する企業が増えているが、
欧米人から見て、日本の企業に属する社員はどのように映っているのだろうか。
(1)会議で、自分の意見を、自ら進んで述べない日本人
東京で外資系の資本運用会社のヘッドをしていたイギリス人の女性は、
「日本人は自分の意見を積極的に述べない」と指摘する。特に
「他の人と意見が違う場合は遠慮して発言しない傾向がある」と言う。
ミーティングの際には、
部下に対して「どうですか?」と聞かないと自分の意見を述べない。
しかし、
ひとたび意見を聞かれれば、堂々と意見を述べる。準備をしっかりしており、自分の意見を持っている。日本人は遠慮深くて、自分がまったく同意しなくても相手の言うことをさえぎらず、忍耐強く相手の話を聞く。
イギリス人であったら途中で相手をさえぎって、「自分は違う意見だ」と告げ、相手の反論を待つ」という。もっとも、これにより、
活発な議論になるのであるが・・。
彼女は、いつも会議で皆が発言するチャンスを与えるために、一人ひとりに「どうですか」と尋ねることにしていたという。
(2)上司ばかりが発言し、部下は終始黙っている
@「数人でミーティングにきているのにかかわらず、
上司しか話をしない。上司が何か確認したい時だけ部下が発言をする」という指摘も彼女からあった。しかし、「同じアジア人でも、
中国や韓国の若い人たちはもっと自由に発言する」とのことである。
Aまた、
「会議に意味もなく大勢が出席する」という指摘もあった。
ヨーロッパでは、普通は先方が1人であったら、こちらも1人、先方が2人であったら、こちらも2人で対応するという場合が多いそうである。
ところが、
日本の場合は、「相手の人数にかかわらず多くの人が会議に参加する。そして皆、熱心にメモをとっているが終始発言はしない。」とのこと。
Bこのほか、多くの欧米人ビジネスマンには、「ミーティングですぐに決断できず、本社に問い合わせしているが、
決定権を持たない人達がなぜ会議に出席するのか?」という素朴な疑問があるという。
日本人の「能力」の問題ではなく、「訓練」の問題ではないか?
上の(1)にあったように、
日本人の部下や若手が上司の前で黙っているのは、決して能力が劣るからではないと思う。
これは、むしろ
企業の中の風土や慣習の問題であり、どこにもそんなことは書いていないのに、「何事も出しゃばらず控えめにするのがよい」、言い換えれば「出る杭は打たれる」ということが、
企業の暗黙の雰囲気になってしまっていることが最大の問題である。
◎出る杭を いつも打ってる うちのボス(なりひら)
それゆえ、
トップや上司は、若手に積極性を求める前に、「自由闊達に意見が言い合える雰囲気づくり」に率先して、継続的に取り組む必要がある。
その
ポイントの一つは「傾聴」(自分ばかり喋るのでなく、部下の声や意見を引き出すこと)であり、これがうまく言っている職場では、
若手が生き生きと働き、自由に意見を言い合っている。
(中国人の場合は)

こうした話を聞くたびに頭に浮かぶのが中国人である。
去年は日本との間で不幸な出来事もあったが、今後、この隣国とは、
リーズナブルな関係を維持していくことが必要であり、
向こうの人達の価値観や行動パターンを理解して接することが必要だろう。
中国では、若者のことを
「バーリンホウ」と呼んでいる。
バーリンは80の意味で、1980年代以降に生まれた若者のことをこう呼ぶらしい。
1980年は、反日教育が始まり、一人っ子政策が始まった年である。
結果、価値観や考え方、行動などで、上の世代とは違って
「個人主義」「自己中心主義」の世代となっている。自分の意見は、その
正否は別にして、堂々と主張している。
(日本人が目指すべきは)
日本が目指すのは、こうしたパターンではないことは言うまでもない。
日本人の間に培われてきた
「組織・チームの和を尊ぶ」考え方は踏襲しつつも、
自分の意見は臆することなく、筋道立ってプレゼンテーションする訓練を、学校教育の場、企業組織の中で、より積極的に実施していくことが重要だろう。
わが息子が、渡米2年後に、どんな人間になって帰ってくるか楽しみにしつつ、若干感じたことを書かせていただいた。
【参考;一般に日本人の特性と言われていること】
いろいろな資料から抜き出したもので、あくまで参考として。
1.横並び意識が強く協調性を重んじる。
2.執念深くない。執着心が薄い。 (諺;「水に流す」)
3.自己主張が苦手。逆に言うと「おくゆかしい」。
4.確固とした自我を持っていないため、衆愚政治に陥りがち。(政治に対する関心は先進国中最低レベル)
5.仕事が丁寧でち密。(日本ブランドに対する国際的な信用につながった)
6.人に親切で礼儀正しい。(外人にはそう映っている)
7.時間厳守。(世界でも類を見ない)
8.白黒をハッキリつけるのが苦手。曖昧さを良しとする。・・・等々である。
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テーブルの上の「もも」・・時々こういうことをする。甘えてるのかな?


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