1月16日

酒谷に移住してもうすぐ6年。
まったくのIターン、「よそ者」である私達を快く受入れてくれた地域の方に早く解けこみたいと頑張ってきた。
私には苦学しながら身につけた音楽しかないから音楽で人の輪を広げたいとおもって頑張ってきたけれど、間違っていたのだろうか…
シングアウトキッズの活動を一番理解して欲しいと思っていた方から、
「歌なんか歌って村おこし?的が外れている。」
「そんなもので青少年の育成なんかできない。」
「あんたたちがやっているのは地域活動でもなんでもない!ただ歌が歌いたい人が個人的に、集まっているだけだろう。」
と真っ向から否定された。
CD製作についても「金儲け」呼ばわりされた。
台風14号が来て国道222号線が壊滅的な被害を受けた時、主人の勤める養豚場も大大きな被害にあい通勤するにも片道2時間半近くを毎日通い、
「いつまでこれが続くのか…もう身体が持たない…やっぱり広島に帰ろうか…」
何度も家族会議…そんな時励ましてくれたのは酒谷の人達。
そして道の駅のお客さんが減り、野菜が売れずに痛んでしまったと泣いているおじいちゃんやおばあちゃんを見て「このままじゃあ道の駅が無くなってしまう。先生、助けてあげたいの!」とコンサートをしようと提案したのもシングアウトキッズの子供たちだった。
曲が作れなくなり7年もの長いスランプから私を救い出し、もう一度音楽を子供たちに教えようと決意させてくれたのも、酒谷のこどもたち…
シングアウトキッズの練習日、「どうしたら大人になった時に酒谷を、日南をまもっていけるのか?」
『ぼく達が大人になった時、仕事をする場所がないと生活できないから何とかしないといけない』
「日南はいい所だって全国の人に教えてあげたら、みんな日南に住んで、人が増えれば会社とか学校とかできるかな?」
子供たちは時々真剣な顔で話し合っていることを知っているのだろうか?
純粋な気持ちで子供たちが作った詩を作品として残したいという気持ち…そして応援してくださる方…とくに男の子は声変わりするから子供の時の今の声を残せるのは、今しかない。
お金儲けだったらもっと上手な歌手に歌わせて大きなレコード会社からCDを出すでしょう。
私達シングアウトキッズはたとえ一人でも、私達の歌を聞いて喜んでくれる人がいればいいと活動してきたけれど、まちがっていますか?
村おこしでも、青少年の育成でもなく、ただの金儲けといわれるのなら、あなたの故郷の子供たちの純粋な気持ちはどこにいくのでしょうか、だれが受け止めるのでしょうか?
STAFFである母親達はみんなそれぞれ地元である人もいるけど、県外や市外から嫁ぎ、ここに根付こうと頑張っている。
子供たちは「棚田へいこう」の中で『ここで育ったぼく達も胸張って生きている。ぼく達の守りたい、大切な故郷の棚田へ』と歌っている。
東京で教えていた時の10分の1の会費で歌を教え、MDやテープを作るのに眠る時間を削り、自分にはギャラをもらえないボランティアばかりでも、「子供たちの歌を聞いて嬉しくて涙が出ました。」と喜んでくださる地元の方、子供たちの笑顔をみたら、お金では買えないすばらしい宝物を沢山頂いているのだからと満足していた。
東京の音楽仲間からは「なんでギャラの出ないようなことばかりやってる?」
「ボランティアじゃあたべていけないよ!」と言われたこともある。
確かに楽器のローンだってあるし、家賃遅れることもあるけれど、それでも幸せだった。
今度は本当にへこんでしまった。
STAFFとして一緒に頑張っている友人達は「本当に腹立たしいけど、もう気にするのやめよう!」と励ましてくれたが、今回は本当にへこんだ。
眠れない…
私はしょせんよそ者、私のやっていることが気に入らないというのならば、理解する気もないというのならそれはもう仕方がない。
でも子供たちはここで育っている。わが子も…
子供たちの純粋な気持ちまでも踏みにじらないでほしい。
発言した方は根っから悪い人ではないと思うが、私達がどんな思いで活動してきたのかを理解した上で言っているのだろうか…何か勘違いしているのではないだろうか?
その方のいう事がすべて間違っているとは思わないが、少なくとも日南を、酒谷を第2の故郷として選んだ者の心を深く傷つけたということに気がついてほしい。
もう、すべて辞めてしまおうかな…あまりにも悲しい。

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