今月のテーマ 

2006/4/13

腕のしびれとビタミンB12  正分子講座

左腕が自転車のハンドルを持つ角度になるとしびれが出てくる患者さんが来院されています。

年齢は50歳代後半の女性で、体格は中肉中背、スポーツも何もしていません。

左腕のしびれ以外では、肩こりや腰痛がありました。

数回の施術で、身体の捻れもずいぶんとましになったので、肩こりと腰痛はほとんど感じないようになりましたが、しびれは相変わらず感じる様なので一度首の(頚椎)レントゲン及びMRI検査を病院で受けるようにお願いしました。

はじめに行った病院では、頚椎には異常なしと言われ、MRIも必要ないと言われ、湿布が処方されました。

しばらくしてから別の病院でもう一度調べてもらうと、今度は5方向からの撮影を行い、「横突間孔の形がいびつになっている事が原因」と診断されたようですが手術などは出来ませんとも言われたそうです。

ビタミンB12(メチコバール)が処方され、3日後くらいから少ししびれがましに感じるようになったそうです。


この患者さんは、症状はましになったけれども、骨の変形でしびれていると診断されたのに、ビタミンで症状変化が出るのは何でだろうと疑問に思ったようです。


ここでビタミンB12についてお勉強してみましょう。


ビタミンB12は、葉酸とともに、遺伝子を構成する核酸の合成に関わっている栄養素です。

そのため、脊髄で赤血球を作る働きを助ける作用があり、葉酸とともに「造血のビタミン」とも呼ばれています。

ビタミンB12が不足して起こる貧血は、「悪性貧血」として鉄分の不足による貧血と区別されています。

また、神経内細胞の脂質膜の合成にも関与していて、傷ついた末梢神経の回復に効果があり、腰痛や肩こり、手足のしびれを改善する事が判っています。

さらに、中枢神経や脳への作用も認められていて、不眠症時差ボケにも効果を発揮します。

このほか、動脈硬化や心筋梗塞の原因物質として最近話題のホモシステインというアミノ酸の代謝にも関わっている事がわかってきました。


ところが、
食品中のビタミンB12の含有率を見ると、肉・魚貝類・卵・乳製品などの動物性食品に多く含まれており、植物性食品にはほとんど含まれていないのです。

菜食が多い方は要注意です。


ビタミンB12の必要所要量は、厚生労働省によると、成人で1日2.4マイクログラム(1マイクログラムは100万分の1グラム)とされています。

これは悪性貧血を起こさないための最低量で、少し余裕をみて、必要量を1日5マイクログラムとする説もあります。
 
これらは「欠乏症を防ぐ」ための摂取量ですが、栄養療法を提唱している研究者によると、1日に3000マイクログラムのビタミンB12をとる事により、様々な作用が起こると述べています。

ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っていますが、特に脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 

元京都大学医学部の亀山正邦教授は、健康な老人の脳と比較して、老人性痴呆患者の脳では、含まれるビタミンB12が4〜6分の1に低下していたと報告しています。

老人性痴呆とビタミンB12との深い関係を示唆する研究結果といえます。

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