2012/9/29
盲腸(虫垂炎)の手術後のおなかの痛み 毎日の手技療法
盲腸(虫垂炎)の手術後のおなかの痛み
10代男性 奈良県
盲腸(虫垂炎)の手術を2年前に受けられ予後も順調だったのですが、1年以上過ぎた今年の始め頃よりくしゃみや咳などに伴いおなかの手術痕付近に痛みが出てきたようです。
6月ごろには、笑ったりしてもおなかに痛みが出るようになってきたので病院に行ってみたのですが、「異常は在りません」との診断が出て何も対処してもらえなかったそうです。
「異常は在りません」そうはいっても痛みは引かずに、というかむしろ徐々に増加しているようなので何とかならないものかとインターネットでいろいろ検索しているうちに当院を探しだされたようです。
おなかを見せてもらい、状況を詳しく観察してみますと・・・
・虫垂炎の手術は大変丁寧に行われており、縫い目は均一、皮膚の盛り上がりもほとんどありません。いわゆる「傷口の癒着」は無いようです。
・くしゃみや咳をしてもらうと、傷口の奥で引きつる様な痛みが出るようです。
・また、小学生なのでおなかを触るとくすぐったい様なのですが、笑うとやはり引きつるような痛みが出てくるため・・・泣き笑いのようなおかしな状態になってしまいます。
これは可哀そうですね!
まずは、3つの横隔膜の動きを確認します。
体幹部(胴体)は心臓と肺が納まっている上半分を「胸腔」とよび、腸や肝臓、腎臓、脾臓、すい臓などが納まっている下半分を「腹腔」と呼びます。
腹腔の外壁は腹筋や背筋などの筋肉により支持されているのですが、その中で腹膜により内臓が覆われています。底の部分は骨盤隔膜(骨盤底筋)により保持され、天井は呼吸横隔膜により上部の胸腔と仕切られています。
この、骨盤隔膜と呼吸横隔膜は筋肉と膜で構成されているのですが、この部分に捻じれが生じると腹腔という内臓の入れ物が歪んでしまい、内臓と内臓、内臓と腹膜、内臓と筋肉(筋膜)などの間での滑走に障害がおこり、膜のひきつれ感が起こるだけではなく、内臓の働きや筋肉の動きなどにも影響を与えてしまうことがあるようです。
これらの膜の捻じれや歪みは、不良姿勢などでも起こるのですが腹部に対しての手術の傷なども影響しています。
腹部の手術の場合には傷そのものが膜に影響するだけではなく、術後に意識的にもしくは無意識に傷口付近をかばう様な姿勢を一定期間とることにより歪んだ姿勢が習慣化してしまい膜の捻じれや歪みの原因になってしまうようです。
この患者さんの場合も、傷口そのものは大変きれいに塞がっているのですが少し「怖がりさん」の様で、必要以上に患部をかばう姿勢を取っていたようです。
1回目は、3つの横隔膜である骨盤隔膜・呼吸横隔膜・胸郭入口(胸腔の天井)を触診、歪みをとるための手技を行います。3つの横隔膜には左右均等な動きではなく、特定方向の運動制限が見られたため、手技により左右均等な動きが出るように修正していきます。
横隔膜が上手くリリースで来たところで、傷口付近の動きをよく調べて動きの制限をさらに手技により修正していきます。
動きが出てくると、ひきつれ感や痛みも減少してきます。
このようなタイプの痛みは、「痛み」が「更なる防御」を生み出す悪循環に陥りやすいのですが、少しでもひきつれ感や痛みを減らすことが出来れば心の緊張感や不安も減少していき、その結果として過剰な防御が外されていき、さらに楽になることが多いのです。
遠方からの来院で親御さんもお仕事が忙しくマメな来院が難しい様でしたので、お母さんにも簡単な修正方法を指導して自宅でもやってもらうことにしました。
2回目は3週間後になってしまいました。
状況は、くしゃみや咳などでの痛みはほとんど感じないようになっているのですが、運動時の痛みやおなかを押さえるときにも引きつれるような痛みが出るようです。
3つの横隔膜の動きを修正してから、傷口付近の動きの修正をします。つまり、前回と全く同じ手順です。上手くいっているので、これで良いのです。
3回目は1カ月以上間が空いてしまいました。
状況は、さらに良い感じになっていたのですが、下肢(右足)の動きに連動してわずかなひきつれ感が残っていたため詳しく触診すると・・・
右の腎臓を取り囲む膜と右足の動きに関係する大腰筋の筋膜の間での滑走に障害があるようです。腎臓を動かないように圧力をかけた状態で股関節を曲げ伸ばししてもらうと、おなかの奥で引きつれるような痛みがしっかりと出てきます。
この部分の滑走を修正することで痛みはほとんどなくなりました。
4回目は3週後になりました。
今回は、痛み、ひきつれは全く無く過ごせたようです。
詳しく調べてみても、ほぼ良好、修正すべきポイントが見当たりません。
次回は年内に確認に来てもらうことにしました。
上手くいって本当に良かったです。
ありがとうございました。
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6月ごろには、笑ったりしてもおなかに痛みが出るようになってきたので病院に行ってみたのですが、「異常は在りません」との診断が出て何も対処してもらえなかったそうです。
「異常は在りません」そうはいっても痛みは引かずに、というかむしろ徐々に増加しているようなので何とかならないものかとインターネットでいろいろ検索しているうちに当院を探しだされたようです。
おなかを見せてもらい、状況を詳しく観察してみますと・・・
・虫垂炎の手術は大変丁寧に行われており、縫い目は均一、皮膚の盛り上がりもほとんどありません。いわゆる「傷口の癒着」は無いようです。
・くしゃみや咳をしてもらうと、傷口の奥で引きつる様な痛みが出るようです。
・また、小学生なのでおなかを触るとくすぐったい様なのですが、笑うとやはり引きつるような痛みが出てくるため・・・泣き笑いのようなおかしな状態になってしまいます。
これは可哀そうですね!
まずは、3つの横隔膜の動きを確認します。
体幹部(胴体)は心臓と肺が納まっている上半分を「胸腔」とよび、腸や肝臓、腎臓、脾臓、すい臓などが納まっている下半分を「腹腔」と呼びます。
腹腔の外壁は腹筋や背筋などの筋肉により支持されているのですが、その中で腹膜により内臓が覆われています。底の部分は骨盤隔膜(骨盤底筋)により保持され、天井は呼吸横隔膜により上部の胸腔と仕切られています。
この、骨盤隔膜と呼吸横隔膜は筋肉と膜で構成されているのですが、この部分に捻じれが生じると腹腔という内臓の入れ物が歪んでしまい、内臓と内臓、内臓と腹膜、内臓と筋肉(筋膜)などの間での滑走に障害がおこり、膜のひきつれ感が起こるだけではなく、内臓の働きや筋肉の動きなどにも影響を与えてしまうことがあるようです。
これらの膜の捻じれや歪みは、不良姿勢などでも起こるのですが腹部に対しての手術の傷なども影響しています。

この患者さんの場合も、傷口そのものは大変きれいに塞がっているのですが少し「怖がりさん」の様で、必要以上に患部をかばう姿勢を取っていたようです。
1回目は、3つの横隔膜である骨盤隔膜・呼吸横隔膜・胸郭入口(胸腔の天井)を触診、歪みをとるための手技を行います。3つの横隔膜には左右均等な動きではなく、特定方向の運動制限が見られたため、手技により左右均等な動きが出るように修正していきます。
横隔膜が上手くリリースで来たところで、傷口付近の動きをよく調べて動きの制限をさらに手技により修正していきます。
動きが出てくると、ひきつれ感や痛みも減少してきます。


2回目は3週間後になってしまいました。
状況は、くしゃみや咳などでの痛みはほとんど感じないようになっているのですが、運動時の痛みやおなかを押さえるときにも引きつれるような痛みが出るようです。
3つの横隔膜の動きを修正してから、傷口付近の動きの修正をします。つまり、前回と全く同じ手順です。上手くいっているので、これで良いのです。
3回目は1カ月以上間が空いてしまいました。
状況は、さらに良い感じになっていたのですが、下肢(右足)の動きに連動してわずかなひきつれ感が残っていたため詳しく触診すると・・・
右の腎臓を取り囲む膜と右足の動きに関係する大腰筋の筋膜の間での滑走に障害があるようです。腎臓を動かないように圧力をかけた状態で股関節を曲げ伸ばししてもらうと、おなかの奥で引きつれるような痛みがしっかりと出てきます。
この部分の滑走を修正することで痛みはほとんどなくなりました。
4回目は3週後になりました。
今回は、痛み、ひきつれは全く無く過ごせたようです。
詳しく調べてみても、ほぼ良好、修正すべきポイントが見当たりません。
次回は年内に確認に来てもらうことにしました。
上手くいって本当に良かったです。
ありがとうございました。

2012/9/17
椅子工房
おはようございます。
久々の投稿ですが、ちゃんと仕事も遊びも大いに楽しんでますよ!
これは、久々のR1ネタですが、シフトノブとハンドルの表面の革を貼り替えてもらいました。直接、手のひらの皮膚が触れる部分なので、新しい革の感触は格別です。

ノーマルはツルツルの革でしたが、せっかく張り替えるので「エンボス」という表面にゴルフボールのように小さなへこみがあるタイプの革にしてみました。
効果はてきめん!
見た目も良くなったのですが、手触りもサラサラした良い感じになり、今まで乗ってきた車歴(R1で20車種目になりました)の中でもナンバーワンの気持ち良さです。
次に取り組んでいたのが、このオンボロソファーです。

今は亡きマックスちゃんのお気に入りのソファーだったのですが、座面の合皮の表面が朽ちてきて、ボロボロはがれてきています。

そこで、表面の黒いビニール部分にカッターで切りこみを入れて、裏地のメッシュは残るように剥がしていきます。
汚れとにおいを集中的に洗浄したのちに、新しく用意した合皮(ビニールレザー)を貼り込んでいきます。

今回の材料は、ネットで見つけた椅子の材料の専門店のアウトドア用ビニールレザー(1メートル2,000円)にしてみました。これは、野外での日差しや雨などに晒されても大丈夫な商品だそうです。

背もたれ側はオリジナル、座面は今回張り替えた部分、見分けつかないでしょ!
中々上手いもんですよね・・・と自画自賛です。
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久々の投稿ですが、ちゃんと仕事も遊びも大いに楽しんでますよ!
これは、久々のR1ネタですが、シフトノブとハンドルの表面の革を貼り替えてもらいました。直接、手のひらの皮膚が触れる部分なので、新しい革の感触は格別です。

ノーマルはツルツルの革でしたが、せっかく張り替えるので「エンボス」という表面にゴルフボールのように小さなへこみがあるタイプの革にしてみました。
効果はてきめん!
見た目も良くなったのですが、手触りもサラサラした良い感じになり、今まで乗ってきた車歴(R1で20車種目になりました)の中でもナンバーワンの気持ち良さです。
次に取り組んでいたのが、このオンボロソファーです。

今は亡きマックスちゃんのお気に入りのソファーだったのですが、座面の合皮の表面が朽ちてきて、ボロボロはがれてきています。

そこで、表面の黒いビニール部分にカッターで切りこみを入れて、裏地のメッシュは残るように剥がしていきます。
汚れとにおいを集中的に洗浄したのちに、新しく用意した合皮(ビニールレザー)を貼り込んでいきます。

今回の材料は、ネットで見つけた椅子の材料の専門店のアウトドア用ビニールレザー(1メートル2,000円)にしてみました。これは、野外での日差しや雨などに晒されても大丈夫な商品だそうです。

背もたれ側はオリジナル、座面は今回張り替えた部分、見分けつかないでしょ!
中々上手いもんですよね・・・と自画自賛です。

2012/9/3
バレエへの効果 トルクリリース
おはようございます。
今年も残暑厳しい中、いつの間にか9月に突入してしまいました。
先週末は、池田市の整骨院でグループのメンバー8人で勉強会でした。
今回の内容は、先日から私が取り組んでいます「トルクリリース・テクニック」を体験してもらい、効果を検証しました。
方法は、体験される先生のカラダを他の先生が「いつも臨床で用いている様々な方法」により評価します。
各先生により、「いつも用いている評価の取り方や見所」が各々違うので、このような方法をとしました。
そして、各先生にその評価により「いつもならばこの手順で治療する」ことを頭の中でシュミレーションしてもらいます。
次に、私が「トルクリリース・テクニック」をプロトコルに従って行います。
つまり、私自身は問診も評価も全く行わずに、「トルクリリース・テクニック」によって検出された部位に対して最大3カ所だけ刺激を入力、他のことは一切行いません。
そして、各先生に再評価を行ってもらうという方法です。
その結果、たった3カ所の刺激の入力にもかかわらず、多くの部位に筋肉の緊張の変化や可動性の変化が見られ、痛みに対しての感受性にも変化が現れているようです。
体験された先生も、様々な変化を自覚されました。
どの様なメカニズムでこのような変化が現れるのか、私には未だによく解っていないのですが、アメリカでは医学的な解明がなされた唯一のカイロテクニックであり、用いる器具も唯一医療承認の取れた「インテグレーター」なので、早く論文等の日本語訳が紹介されることを望んでいます。
昨日の日曜日は、「KANA BALLET CLASSIC」さんの第7回発表会に裏方で参加してきました。
昼の13時に会場の控え室ロビーに「治療コーナー」を作ってもらい、ダンサーさんが自由に施術を受けられるようにしていたのですが・・・
リハーサルの合間だけでなく本番が始まってからでも、多くのダンサーさんが本当に切れ間なく訪れました。
もちろん、皆さんが故障しているのではなく、「なんだかすっきりしない」「軸が安定しない」「片足が上手く上がらない」などどちらかというと「細かい調整」が必要な方が多かったようです。
ここでも、「トルクリリース・テクニック」の効果は絶大でした。
短時間(5分ほどで終了)で負担も軽く(最大3カ所への入力のみ)それでいて、体に起こる変化はすべてのダンサーさんが自覚できたようでした。(さすがに、自分の体の変化には一般の人よりもはるかに敏感なようです)
今回も約7時間の拘束、舞台を合間にのぞきながらの施術でしたので大変忙しかったのですが、とても勉強になりました。
良い経験をさせていただいたことに感謝です!
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今年も残暑厳しい中、いつの間にか9月に突入してしまいました。
先週末は、池田市の整骨院でグループのメンバー8人で勉強会でした。
今回の内容は、先日から私が取り組んでいます「トルクリリース・テクニック」を体験してもらい、効果を検証しました。
方法は、体験される先生のカラダを他の先生が「いつも臨床で用いている様々な方法」により評価します。
各先生により、「いつも用いている評価の取り方や見所」が各々違うので、このような方法をとしました。
そして、各先生にその評価により「いつもならばこの手順で治療する」ことを頭の中でシュミレーションしてもらいます。
次に、私が「トルクリリース・テクニック」をプロトコルに従って行います。
つまり、私自身は問診も評価も全く行わずに、「トルクリリース・テクニック」によって検出された部位に対して最大3カ所だけ刺激を入力、他のことは一切行いません。
そして、各先生に再評価を行ってもらうという方法です。
その結果、たった3カ所の刺激の入力にもかかわらず、多くの部位に筋肉の緊張の変化や可動性の変化が見られ、痛みに対しての感受性にも変化が現れているようです。
体験された先生も、様々な変化を自覚されました。
どの様なメカニズムでこのような変化が現れるのか、私には未だによく解っていないのですが、アメリカでは医学的な解明がなされた唯一のカイロテクニックであり、用いる器具も唯一医療承認の取れた「インテグレーター」なので、早く論文等の日本語訳が紹介されることを望んでいます。
昨日の日曜日は、「KANA BALLET CLASSIC」さんの第7回発表会に裏方で参加してきました。
昼の13時に会場の控え室ロビーに「治療コーナー」を作ってもらい、ダンサーさんが自由に施術を受けられるようにしていたのですが・・・
リハーサルの合間だけでなく本番が始まってからでも、多くのダンサーさんが本当に切れ間なく訪れました。
もちろん、皆さんが故障しているのではなく、「なんだかすっきりしない」「軸が安定しない」「片足が上手く上がらない」などどちらかというと「細かい調整」が必要な方が多かったようです。
ここでも、「トルクリリース・テクニック」の効果は絶大でした。
短時間(5分ほどで終了)で負担も軽く(最大3カ所への入力のみ)それでいて、体に起こる変化はすべてのダンサーさんが自覚できたようでした。(さすがに、自分の体の変化には一般の人よりもはるかに敏感なようです)
今回も約7時間の拘束、舞台を合間にのぞきながらの施術でしたので大変忙しかったのですが、とても勉強になりました。
良い経験をさせていただいたことに感謝です!
