この着物は、亡き父が奄美大島で母に買ってきた、琉球絣です。
これを母は好んで着ていたらしく、袖口も裾も擦り着れて、所々にシミ、汚れが目立つていました。
母からいっぱい貰った中でも、一番悲惨な着物でした。
母は「捨てられ〜」と言いました。
八掛けが橙色で、気にいっていたし、まだまだ着られそうだと思ったので、貰って仕立てなおす事にしました。
★この着物は随分短かったのだと思います。
繰越を解いて、前身頃と後身頃に接ぎが入っています。
亡父の着物の裏地(紺)を貰って、これを胴裏にしょうと、近所の悉皆屋さんに頼みました。
出来あがりを見て、涙が出そうに成りました。(呆然として・・・)
何と!気にいっていた八掛けが、父の紺を胴裏にしてくださいと言った生地になっていました。
どう見ても80歳のおばあちゃんの着物に仕上がっていました。(涙)
直ぐに取り替えてくれる事になったのでしが、橙色の八掛けはこの着物には合わないと、ご夫婦が揃って言われるので、渋々小豆色にしました。
出来あがりを見て、心が踊らなかった・・・
なので、ずーっと箪笥に入ったままに成っていました。
昨日箪笥を開けて、この着物を見つけました。
着てあげようと。
色々帯を合わせてみるが、どうしても合う帯が無い。
奥の方に、20代の時に自分で買ったが締めた事が無い、朱色のふくれ織のコハク風? の帯がぴったりだと思いました。
やっぱり八掛けは橙色にしておけば良かったと後悔しています。
人の意見は程ほどに、最後に決めるのは自分!
あれからまだ一度も袖を通していない事に気が付きました。
この着物は殆ど着ていなかった物を、母から貰いました。
随分(何十年も)箪笥の中で冬眠していたようで、胴裏は黄ばんでいました。
表地はバリバリしていて、とても着難かったです。
それでも3回ほど着たでしょうか?
直す前の着用写真(02年)を見てください。
なんか貧相に見えると思いませんか?
つんつるてんの着物を着ている状態です。
この画像を見て、やっぱりこのままで着るのは無理と思って、今年「おたすけくらぶさん」で仕立て直して頂きました。
洗い張りをして、バリバリ感も取れて、やわらかく着易くなりました。
裄も身幅も丈もたっぷりです。
やっと自分の着物になったと思います。
今までは借り物でした。
身幅も狭いし、身丈も裄も短かったです。
仕立て直し前
仕立て直し後
★銅接ぎの画像を見ると、接いだ部分が少ない様に見えますが、実際は「繰り越し部分」も伸ばしてあるので、実際には随分長くなっています。
この着物は前身頃と、後身頃に接ぎが入っています。