2017/8/1

オススメのドラマ♪  発掘名画館

 はなこイチオシのドラマの再放送が昨日から始まりました

 英国の名女優ヘレン・ミレンの代表作とも言える『第一容疑者(Prime Suspect)』(個人的には米アカデミー賞主演女優賞を受賞した『クィーン』より、こちらの方が彼女の卓越した演技力を堪能できて、ずっと見応えがあると思う)
 
 チャンネルはイマジカBS

 放送予定日時は7月31日(月)から9月26日(火)まで、お盆の時期と8月29日(火)を除く、毎週月、火曜日の19:00〜21:00の放送です。全15回。

 日本のサスペンスドラマに飽き足らない方

 もしイマジカBSチャンネルを見られる環境にあるならば、オススメです

 どうぞ、お見逃しなく

 当ブログ内過去記事:ヘレン・ミレン主演の『第一容疑者』が抜群に面白い

クリックすると元のサイズで表示します
1

2008/2/14

ミッション(英国、1986年)  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します

 以前WOWOWで放映されたのを録画していたのだが、ずっと見ないままになっていた。先の連休中にやっと見た。1986年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。

 18世紀半ばの南米が舞台。イエズス会宣教活動にまつわる悲劇を描いた作品。まず、南米奥地のイグアスの滝上流にあるインディオの村にも、イエズス会の宣教師が布教に訪れていたとは驚き。宣教師らはそこで苦心惨憺の末、インディオらと共に理想郷を築いたのだが、その平安も束の間、当地を巡るスペイン・ポルトガル両国の領有権争いに巻き込まれてしまう。

 そもそもヨーロッパのキリスト教勢力が、遠い南米まで赴いて土着のインディオ達をキリスト教に改宗しようとしたことに彼らの傲慢さを感じる。インディオ達は彼らなりのルールと智慧でジャングル生活を生き抜いていたのだから。劇中、インディオが3人目の子供を殺すことをヨーロッパ人が「野蛮極まりない」と断罪するシーンがあるが、これは危険が迫った時に両親で抱きかかえて助けることのできる子供の数、ということから編み出された彼らの智慧であって、けっして部外者になじられるようなことではない。彼らインディオの平和を乱したのは、他ならぬ外部(ヨソ)から来た侵略者なのだ。徒に流されたインディオらの血が気の毒でならない。

 末端の宣教師らは信仰に殉じる覚悟で布教に真摯に取り組むが、組織の上層のローマカトリックは国家権力と分かち難く結びついている。宣教師らは結果的に侵略者の先兵としての役割を担わされているに過ぎない。そう言った非情な事実を今更のように突きつけられて、見終わった後には暗澹たる気持ちになった。

 映像的にはイグアスの滝が圧巻。登場人物らは、その上流に向かって時には絶壁を滑り墜ちそうになりながら、山肌を泥まみれになりながら、そして激流に流されそうになりながら上って行く。撮影は出演者、スタッフ共にさぞかし大変だったことだろう。

 キャスティングも見応えがある。ロバート・デ・ニーロにジェレミー・アイアンズ、そしてリーアム・ニーソン。彼らの熱演は時間を追うごとに輝きを増して行く。

 苦い後味を残す作品だが、素晴らしい作品だと思う。

映画『ミッション』データ(allcinema onlineより)
0

2008/2/6

フランスとグルジアの意外な関係〜『やさしい嘘』  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します

『やさしい嘘』―その背景を知る

 一般の日本人には馴染みの薄い旧ソ連の小国グルジアとフランスを舞台にした映画です。私自身がグルジアという国の名を耳にしたのは何年か前のオリンピックの開会式だったかな?英語では「ジョージア」って言うんですよね。皆さんはこの国についてどの程度ご存知ですか?ちなみにグルジアの国民は自国のことを「サカルトヴェロ」と呼ぶそうです。首都はトビリシ。

 一見してあまりにも馴染みの薄い国なので、ここで映画プログラム中の情報を基に、グルジアについてご紹介したいと思います。それを踏まえてこの映画を見ると、映画の中で描かれたことがより深く理解できるのではないかと思ったので。

グルジアの位置(周辺地図)

 グルジアは黒海に面し、トルコ、アルメニア、アゼルバイジャン、ロシアと国境を接する小国です。国土面積は日本の約5分の1。そこに430万人が暮らす。旧ソ連時代はワイン、お茶など豊かな農産物と長寿の国(私達には「コーカサス地方」という方が馴染み深い)として知られていた国。最近では、グルジア・ワイン、カスピ海ヨーグルト、大相撲の黒海関の活躍などが、一般の日本人には知られるところでしょうか。91年のソ連崩壊後は一転して民族紛争と内乱による流血の舞台と化し、解体された旧ソ連の共和国の中で最も政治的混乱の被害を受けた国らしい。

 一向に回復しない経済に見切りをつけて、働き手の多くは国外へ。その行き先のひとつが今回の映画のもうひとつの舞台となったフランスというわけです。旧ソ連のゴルバチョフ政権下で外務大臣を務めたシェワルナゼ大統領も2003年には失脚。その後弱冠36歳で選出されたミヘイル・サアカシュヴィリ大統領を中心に平均年齢30代の内閣が国内外で山積する難問に果敢に取り組んでいる最中だそうです。

 映画の中では国家制度の混乱の象徴として描かれている郵便事情。窓口で手紙をポイッと投げ渡す職員の横柄さにはびっくりしますが、日本以外の国では案外珍しいことではないかもしれませんね(中国の国営商店の店員の横柄さも有名な話ですし。今は多少改善?)。私がいた中東の国でも、手紙の紛失はしばしばあったし、小包はダウンタウンの中央郵便局まで受け取りに行かねばならず、しかも窓口では他の人がいる前で小包の中身をひとつひとつ「これは何だ」と確認されてプライヴァシーも何もあったもんじゃなかったです(泣)。

 日常会話やテレビ・新聞などでは一般的にグルジア語が使われている。ただし、ソ連の一部であった名残や国内の少数民族との関係から、共通語としてロシア語の役割も無視できないらしい。近年グルジアでは、英語や独語の学習熱が高いとのこと。フランスには第一次世界大戦後、グルジア亡命政府が樹立されたこともあり、仏語は旧貴族層や学者の間で需要があるらしい。現在フランスの外務大臣を務めるズラビシュヴィリ女史は亡命グルジア人の子孫という話からも、グルジアとフランスの浅からぬ縁を感じます。そう言えばロシア文学を読んでいると、ロシア貴族が教養語として仏語をたしなむ、というくだりがよく出てきたと記憶していますが、昔から東欧圏の人々にはフランスへの憧れがあったのでしょうか?

 宗教はギリシャ正教の流れを汲むグルジア正教が主流。4世紀以来の古いキリスト教遺跡は観光地としても名高く、古都ムツヘタは世界遺産にも指定されている。

 文化的にはアジアとヨーロッパが交差する地として、民族音楽や民族舞踊が盛ん。狭い国土ながら、踊りも歌も地域色が極めて強い点が特徴的。衣装、合唱方法、踊りの仕草が各地域で異なり、全体で独特なグルジア文化を築いているという。これは、古くから東南アジアとの交流が盛んで、「チャンプルー文化」とも称される沖縄の民俗芸能の豊穣さに通じるものがあると言えるのではないか?異なった文化が交差する地域は、歴史的に周辺の列強に翻弄されるという側面を持ちながらも、巧みにさまざまな文化を取り入れ、混合し、独自の文化を築きあげる逞しさとしなやかさを持っていると言えるのではないでしょうか?

 映画はグルジアを舞台としながらも、監督・脚本は仏人女性のジュリー・ベルトゥチェリ、主演の3人はベラルーシ、グルジア、ロシア(サンクト・ペテルブルク)生まれと出自は多彩。

 祖母役のエステール・ゴランタンはベラルーシ生まれの御年91歳(!)。両親が東欧のユダヤ系出身なのでイディッシュ語を話し、生まれ育ったのがベラルーシなので近隣ではロシア語が交わされ、生まれ故郷町が当時ポーランド領だったので学校教育は高校までポーランド語で受け、18歳からは歯科医師を目指してフランスのボルドーに移住したのでフランス語を学びと、4つの言語を操ります。そして今回はグルジア語にも挑戦。85歳で女優デビューして以来、出演作は本作で7本目を数え、その後新作2本が続く。凄い人です。自然体の演技がとても良い。この人を見ただけでなんだか得した気分になります。

 その娘役のニノ・ホスマリゼは生粋のグルジア人。だから映画の中でお湯の止まったシャワーや度重なる停電に悪態をつくのは迫真の演技というより、彼女のグルジア人としての本音なのかも。孫娘役のディナーラ・ドゥルカロヴァは14歳で映画デビュー。童顔なので若く見えますが、1976年生まれの28歳。90年に出演した映画がカンヌでカメラ・ドール賞を受賞したことにより一躍注目を浴び、現在はフランスに住んで幅広く活躍中らしい。

 前半は淡々と進むのが少し眠いくらいですが、グルジアを取り巻く悲惨な状況、そんな中での家族・親族・近隣住民の深い絆、人々を慰め励ます音楽と踊り、女性の逞しさと男性の所在なさと…最後には未来への晴れやかな展望と一抹の不安(でも冒険に不安は付き物だし)を見せてくれる。そして「やさしい嘘」はけっしてひとつだけじゃない。私はこの映画結構気に入りました。

※注 書かれている政治状況は映画公開時(2004年現在)のものです。グルジア共和国に関する最新の情報は以下のサイトをご覧ください。

グルジア共和国データ(外務省HPより)
映画『やさしい嘘』データ(allcinema onlineより)
3

2006/12/5

『夜の蝶』  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します

WOWOWで放映されたのを見た。1957年公開の大映作品。
「女性映画の大家」と称された吉村公三郎監督の演出で、
公開当時は大映2大看板女優、京マチ子と山本富士子の共演が
話題となったようだ。


続きを読む
1

2006/6/28

シティ・オブ・ゴッド(CITY OF GOD、ブラジル、2003)  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します

これはカーニバルで世界的に有名なリオ・デ・ジャネイロにあるスラム、
その名もシティ・オブ・ゴッドが舞台です(時代は1960年代後半)。
続きを読む
1

2006/6/20

ベッカムに恋して(Bend it like Beckham,2002,英米独)  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します サッカーWCに合わせての放映でしょうか?深夜にWOWOWで放映したのを録画で見ました。評判に違わず、爽やかな余韻を残す佳作ですね

 本作が描いているのは、インド系イギリス人の少女ジェスが、帰属するインド人社会の旧態依然とした価値観や伝統に縛られながらも、葛藤を経て自らの人生を選び取って行く物語。

 異郷に在りて民族(ルーツ)の誇りを忘れず、謂われのない差別や偏見と闘いながら、新天地に根付いて来たであろう一世と、祖父母・親世代のルーツへの拘りを理解し尊重しつつも、移住先の社会に同化して行く2世3世。

 同化は自然な流れ。2世3世にとっては、そこが生まれ故郷なのだから。世代間に横たわる互いへの違和感〜ギャップはインド系イギリス人に限らず、全ての移民社会共通の問題なんでしょう。

 グリンダ・チャーダ監督自身、ヒロイン、ジェスと同じインド系イギリス人女性。ヒロイン像は、若き日の監督自身の投影でもあるのでしょうか。監督は脚本も手掛けています。

 以前、ヤオハン(スーパーマーケット)が積極的に海外展開していた頃、ロンドンで開店間もない店舗に行ったことがあります。そこは中心部からかなり外れた場所で、私が訪ねた日中は街自体が閑散としており、道行く人は有色系の人が多かったように記憶しています。

 今年の3月に久しぶりにロンドンに行った折には、時期的(季節及び私が活動した時間帯)に観光客が多かったのかもしれませんが、アラビア語を始め、仏・伊・西・露・中と多言語が聞こえて来て、地下鉄の乗客が殆ど非英語圏の人なのに驚きました。現地在住の日本人にも「ロンドンは本当の意味でイギリスじゃないんだよ」(2015年時点で、ロンドン市民の過半数が移民)と言われたのが、今も印象に残っています。

 本作はタイトルがタイトルだけに、英国サッカーの貴公子デイヴィッド・ベッカムに夢中な少女の物語かと誤解されがちですが、描かれているのはサッカーを通じて自らの道を切開いて行く、マイノリティーの少女の成長。

実は大甘な邦題の陰に押しやられてしまった原題に、
作り手の熱い思いが込められているような気がします。
原題のBendには二重の意味が込められているのではないでしょうか?


即ち、「ベッカムのように絶妙なボールコントロールで、
ジェスがシュート球をゴールポストめがけて放つ(曲げる)」と
「ジェス自身が伝統の呪縛から離れて新しい一歩を踏み出す*」
(*bendには新しい方向へ「向ける」と言う意味もあります)


 しかし、最近よく見られる”原題をそのままカタカナ表記”では、残念ながら多くの人にとって意味不明でしょう。配給会社にしてみれば、本作のターゲットである客層(若い女性?)をキャッチする為の苦肉の策としての、タイトルの”恋して”だったのかもしれません。

 本作の日本公開は日韓WC開催の翌年で、ちょうど日本がベッカム・フィーバーで沸いていた頃?ベッカム人気に便乗したとも言えるでしょうか(笑)。


 尤も、現在公開中の映画『GOAL!』の女性版と言った趣ながら、移民社会における世代間の葛藤、家族愛、友情、個人の生き方、そして女子サッカーの現状と、様々な要素が絶妙に絡み合う展開で、こちらの方が格段に見応えあり、改めて考えさせられることも多く、心に残る作品と言えるのではないでしょうか?

 しかも制作年は2002年と先駆け。制作予算を除けば(『GOAL!』はいかにもお金をかけて作った印象)、あらゆる面で本作の方が勝っているような気がします。

 今をときめくキーラ・ナイトレイが、広く世に認められた作品でもあります。主役のジェスを演じたバーミンダ・ナーグラもチャーミング。DVDだと楽しい特典映像が付いているようです。

 甘ったるいタイトルで今まで敬遠されていた方、たまたま今まで未見の方、是非ご覧あれ

『ベッカムに恋して』公式サイト

25

2006/1/10

★映画の感想アップしました<靴に恋して>(旧作)  発掘名画館

クリックすると元のサイズで表示します
<靴に恋して>DVD表紙より

こちらをクリック⇒投稿#193<靴に恋して>
         (原題:PIEDRAS、スペイン、2002)

併せてこちらのHPもどうぞ
         ⇒イン・ハー・シューズ
         現在は札幌市・兵庫・広島県でのみ上映
         DVD化はまだ先のことと思います 
ご参考までに
         ⇒MovieWalker<イン・ハー・シューズ>
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ