「なら地域ねこの会」
◇清掃や去勢・避妊手術 処分減目指す
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20140818-OYTNT50241.html?from=ycont_top_photo
地域ぐるみで野良猫の世話や管理を行い、徐々に減らす「地域猫活動」を県内でも進めようと、市民団体「なら地域ねこの会」(事務局・生駒市)が発足した。去勢・避妊手術を呼びかけるなど、行政とも連携して殺処分の減少を目指していく。(坂木二郎)
昨年度、県内の保健所などに持ち込まれた猫は、1791匹。このうち、飼い主が見つかったのは、74匹で1割に満たない。残る1717匹は、弱って死んだり、殺処分されたりした。
奈良市保健所は、住民らが捕獲器で捕まえた猫を引き取り、殺処分を繰り返していた。「飼い猫まで犠牲になる」などの批判で、今年3月、捕獲器による持ち込みの受け付けを中止したが、こうした現状にショックを受けた動物好きの人ら5人が、7月に設立した。
地域猫活動は、ルールを決めて、地域で野良猫を管理する。自治会など地域住民の合意のもとで責任者を決め、餌やり、食べ残しやフンの始末、周辺の清掃を行う。不妊・去勢手術を施して繁殖を防ぎ、数を徐々に減らすのが目的だ。
大阪市や神戸市、堺市などは、手術費用を助成し、活動を支援している。同会は、県内の自治体にも支援を要請する考えで、「野良猫が増えすぎると、鳴き声や臭いなど、動物好きも苦手な人も困る。活動を野良猫を巡るトラブル解決の糸口にしたい」と言う。
今後、特定非営利活動法人格の取得を目指し、全国で野良猫の手術を進める公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)と連携して地域猫活動を奨励。各地の保健所に持ち込まれた猫と新たな飼い主の橋渡しをしたり、専門家を招いて講演会を開いたりし、地域猫活動のノウハウを広めるという。
生駒市で約10年間にわたり、地域猫活動を続ける会長の林映子さんは「一地域や個人で動物愛護を呼びかけても限界がある。行政と連携し、人間と動物双方が住みやすい社会にしたい」と願っている。
同会は、メンバーやカンパを募っている。問い合わせは、事務局(090・9875・5074)。

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