譲渡、飼い主教育
横浜市も猫の殺処分削減に熱心な自治体の一つ。1968年から不妊手術の助成を行い、2010年度の殺処分は、07年度の半分以下の約1000匹にまで減少した。殺処分の方法も、麻酔薬の注射による安楽死にしている。同市内、東京都内の動物愛護団体に猫の譲渡もしている。
動物の引き取りは、「飼い主がいなければ、生後間もない子猫に限っています。飼い猫の場合は、けがや病気など、どうしても飼えない事情がある場合のみとしています」(横浜市健康安全部動物愛護センターの泉俊明さん)。しかし、「年老いた」「排せつ物の処理が面倒」などという無責任な理由でペットを持ち込む人も少なくなく、職員は持ち帰るよう説得するのに苦労しているという。
昨年5月には猫が過ごしやすい部屋、収用犬の個室、飼育方法を体験する部屋などを備えた動物愛護センターをオープンし、動物の譲渡や飼い主教育などに力を入れている。取材で訪ねると、広々とした芝生の中の三角屋根の「猫の家」には大きなケージに猫が数匹おり、職員手作りのキャットタワーでくつろいでいた。一般の人がガラス越しに猫の生活を見学できるようにもなっている。中には片脚がない猫もいるが、器用に3本脚でタワーに登っていた。ただ、「どうしてもかわいらしい子猫(の譲渡)を希望する人が多く、人懐こくても、見た目の悪い子猫、成猫、障害のある猫はもらい手が見つかりにくい」(泉さん)という。
http://www.jiji.com/jc/v4?id=2012chiiki-neko&p=2012chiiki-neko-DSCN5358

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