『
整理整頓 女子の人間関係』精神科医・水島広子/サンクチュアリ出版
「自己肯定感、持っていますか」に引き続き、精神科医の水島広子氏の著書。重複する部分もあるが、「女」に特化した問題点を洗い出し、いかにそこから自由になり、さっぱりと生きやすく変えていくか、がテーマだ。
一般に「女の人間関係はめんどくさい」というのは周知の事実だが、それは「女が陰湿」ということではなく、本質は、
”「女」が選ばれる性であることに由来する。”という指摘が新鮮だった。
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―選ばれる人がいれば選ばれなかったひとがいて、ある人が「きれい」とほめられるのは、それだけに収束する話ではなく、「他の女性はきれいと言われなかった」という事件でもある。
―この問題の本質は、女性の陰湿さにあるのではなく、女が、主に外見によって「選ばれる」という受動的な立場に置かれていることにある。
―女は相対評価の世界に生きている
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ゆえに、嫉妬深くなるし、他人と比較するし、すぐに敵か味方か分けたがり、「私はこう思う」ではなく「普通はこうだ」と自分の意見を押し付ける。こいう傾向が強い人は、女の嫌な部分が大きい人ではあるが、それだけその人が「女」として傷ついてきたことも意味する。バカにしたり否定することは厳禁だという。
そういう人との付き合い方、あるいは自分を楽にする方法は、自分の「女」度を下げること。
―「誰が選ばれるか」というサバイバル・ゲームを降りる勇気を持つ
これは、何も男性に選ばれることだけを意味するのではなく、友人から1番の親友と思われているのか気になるとか、誘われなかったからないがしろにされているとか思わないこと、という意味も含む。
人にはそれぞれに事情や言い分があり、場面によってどんな人と付き合うかも自由、という当たり前のことを、ちゃんと認識する(してもらう)ということでもある。
人との距離が近ければ親しいということではなく、お互いに相手の価値観・ライフスタイルを尊重しつつ、充実した交流ができる相手を「親しい」という。
― 1人で居ることに問題を感じない、複数でいるときも、排他的な態度を取らない。
ことが、自立した大人の態度であるとはっきり示されていた。これは、劣等感が激しい私には肝に銘じるべきことで、この言葉に癒されもした。