家族で、私が買ってきたバレンタインのチョコアソートを食べながら、録画していた新海誠監督作品『星を追う子ども』を観るという午後でした。
異世界へ行きて帰りしファンタジーで、アクションもスピード感があってかっこよかったし、面白かったです。
その数日前には、同監督の『秒速5センチメートルの恋』を見たのですが、こたつで観ていたから途中で寝てしまった。間のエピソードが抜けてます…。
確かに映像は美しく引き込まれるものがあるのですが、両方とも、ちょっと情感が先行する感じが強いですね。『君の名は』以前の作品が、よいことは良いのだがあと一歩(エンタメには足りないものが)、みたいに聞いていたのがなるほどこういうとこかと納得しました。
とりわけ『秒速5センチメートルの恋』は、万年思春期ヘタレ野郎の恋で山崎まさよしのPVという印象が残り…いやいや、丁寧に風景描写で心理を表しているところとか、素敵でしたけど。
『星を追う子ども』は、それより引き込まれてちゃんと寝ないで(おい)最後まで観れました。
* あらすじ * * *
山深い地方で暮らす中学生のアスナは母子家庭。1人だけの秘密基地に行く途中、「熊のような」と言われていた奇妙な生き物に襲われます。あわやという瞬間に少年「シュン」が現れ、アスナを助けてくれ、親しくなった2人でしたが…。「シュン」はこの世ではない、異世界から来た少年でした。アスナはシュンにそっくりの少年「シン」を追って、訳ありの男性教師と共に異世界へ旅立つのでした。
* * *
途中息子が、「ジブリ!」と言うくらいジブリっぽい感じで、確かにそれを意識して作られていたようです。ただ、やっぱりちょっと似ているというだけで、どっちがいいとかではなく違います。
シンの動きのかっこよさとか、声優陣の声の良さとか、映像美とか、色々いいところはありましたが、シュンが相当の覚悟をしてこっちの世界に来た意味があまり分からずちょっと腑に落ちなかったです。
あと、少年は少女を「身体が勝手に動く」くらい死ぬ気で守るものか…とか。いや、いいんですけど。アスナいい子なんですけど!
あ、いや。途中、アスナとシンが2人で一緒にシュンを思って泣くところは、ちょっとぐっと来ました。
----ネタバレ追記---
シンはシュンに対してコンプレックスがあって、これまで使命もあって気を張っていたから、ちゃんと心の中で弔うことが出来ていなかったのではないか。けれど、やはり兄は愛しく、その死に向き合い心の中で弔うことが必要だったのだろうと思います。
弔うとはその人の死を受け入れ直視することで、泣くのはその一区切り。
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これがあるから、何か絆のようなものも生まれたのかな。シンはアスナを守る意義があったのかな。などと考えたりしてました。