尾木直樹 著「取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと 」(講談社+α新書)
尾木ママが、日本の教育に大きな警鐘を鳴らす本。様々な国際比較データを引用しつつ論理的に説明しています。色々衝撃を受けて、とても興味深い内容でした。
国別ランキングがやたら出てくるので、それによってゆとり教育もダメと言われて方針が変わったので、もう今は子供の段階で国際競争にさらされて影響を受けてるんだわと気づいてアア…となりました。
ゆとり教育が間違っていなかった指摘や国際比較がわかり易かったのですけど、読めば読むほど日本の教育って息苦しくてしかも低予算でダメなんじゃん…と暗くなってしまいました。
一番開眼されたのは、国が子供の学力を保証すべきという点。フィンランドと比較して、少人数で個別授業、落ちこぼれを作らず自己目標をめざす絶対評価の良さをかき口説いていました。日本はその逆で失敗し続けてるみたいな言い方に、どうしてもなりますわな。
確かに、ただ履修すれば卒業資格がもらえる日本では、少数のトップ以外は、全体的には学力がアヤシイ感じかも。そこを塾で補う訳ですが…。要するに家庭に依存しているが、もう限界がきていると。
確かに、塾に行くのが当たり前の世では、格差が拡がるのは避けられません。皆それをイヤだマズイといいながら、どこか良しとしてしまっている。それは、いわゆる「勝ち組」の人たちが世の中を動かしているからじゃないのかなと思ってしまいました。
詰まるところ長年競争を煽る相対評価教育をしてきた結果なのだと思われ、根の深さを感じました。
せめて、親はしっかりした教育観をもて、という尾木ママの提言を心掛けたいです。