去る3月15日未明、父が亡くなりました。75歳で、一年ほど前から慢性骨髄単球性白血病という病でした。弱ってはいたけれど、頭はしっかりしていたし、入院はほとんどしていなくて3月3日まで家にいてひな祭りの折詰をぜんぶ食べたりして、元気だったのですが。
3月4日に容態が急変して入院し、その週の週末にはお見舞いに駆けつけました。〈二つ県を超えて車で5〜6時間かかる〉
余命1か月といわれたけれど、全然実感がわかず、車で来た私に、道が混むから早く帰るようにとこちらの気遣いまでするほどだったのに、それが結局生前父の声を聞いた最後になりました。
父らしいさっぱりした最期だったのかなあと思います。入院してから11日、危篤状態になってから一晩で。母に何日も看護させることなく、あっさりと亡くなってしまいました。
子供の頃からの思い出が色々思い出されて、私は父が本当に好きだったなあと泣けてきてしょうがありませんでした。
いまも、考えると涙が出てきます。
父が亡くなってから、父が若いころの写真が数枚、母の部屋の引き出しから出てきたそうです。高校生の頃や、20代らしき若造の顔でした。お兄さん〈私には伯父〉と一緒に笑っている写真も。
母は初めて見るもので、隠し持っていたのだか母に直接渡さないで、こっそり何も言わないで入れておいたのです。どんなつもりだったのか、聞きたくてもいまはもう聞くことができません。