最近・・・でもないけど5月以降読んだ本
「真鶴」川上弘美
「もぎりよ今夜もありがとう」片桐はいり
「なずな」堀江敏幸
マンガですけれど「ワンピース」1巻〜63巻
「ファンタジーを読む」河合隼雄
・「真鶴」は十数年前失踪した夫に思いを残している女性が、「まなづる」にふりまわされるような感じのお話。あまり面白かった印象が残っていなくて申し訳ないけれど、やっぱり独特の雰囲気はあった。
・「もぎりよ今夜もありがとう」は、映画館でチケットもぎりのバイトをしていた頃の片桐はいりの思い出と映画愛に包まれた面白エッセイ。
特に前半が、映画館が娯楽の王様みたいに君臨していた時代の具体的なエピソードで楽しかった。映画が、というより映画館が楽しい!と思わせてくれる。
寅さん映画で、観客の爆笑で映画館のドアがばふんばふんゆれた、とか聞くと今の入れ替え制は良いのだけれど、みんなで盛り上がれるのも映画館の醍醐味だな〜。そういえば昔は立ち見で観た事もあったっけ。元気だったなあ。と懐かしい。
トム・クルーズの魅力を模索する「トムの会」も笑った。
・「なずな」と「ワンピース」
「なずな」は生後2ヶ月の赤ちゃん(姪)を預かり育てることになった40代独身男性のお話。
「イクメン小説」と聞いて読み始めたので、浅はかにもよくあるドタバタ喜劇みたいなものを想像してしまいましたが、なんとも地に足が着いたお話。
息子が赤ちゃんの頃を思い出し、ああそうそう、わかるわかる!こんな感じあったあった〜。と、すでに懐かしさばかり。
子供がいると、地域や周囲の人々がとても自然に近くなるし、考え方も変わったり、色々なことに気付かされる。
そしてこの男性は地方紙の新聞記者である為に、よりそれが鮮明になり生かされていた。地域とのつながり易さだけじゃなく、書き手としての感受性が磨かれていくという感じかしら。
文章は読みやすくて、たぶん時間があったらどんどん読んでしまうのだと思うけど、そんなにドラマチックなことが起るわけじゃなく淡々と細やかに日々が描かれているので、なかなか読み進むことが出来なかった。
最大の原因は途中でマンガ『ワンピース』を借り出してしまったことで、やっぱりすごく面白いしこれでもかと盛り上げて来るのでどうもこちらはお留守がちになってしまった。
自分のいまの生活が淡々と子育て生活なので、冒険マンガのほうが魅力的なのはもうしょうがない、と、これは言い訳です。