息子は昼間おとなしく寝ていたので隣で本を読みました。
『小さな小さなあなたを産んで』唐木幸子(読売新聞社)
ドラマ化もされた、体重が678グラムという超未熟児を産んだ方のドキュメンタリーです。
文章がとても緻密でなおかつ話の流れが分かり易く、深い感情が伝わってくるもので何度も泣きそうになりながら、隣ですやすや寝ている息子をながめて胸が熱くなったりしてました。
とくに、手のひらに納まるような大きさの、保育器の中のわが子との対面、身もだえするほど可愛くいとしいという気持ちが良く分かりました。
それにしても、この人は血圧が200とかになっても体の不調が無いという恐ろしい肉体の持ち主、41歳というハイリスク出産でも妊娠中はバリバリ仕事をこなし趣味の音楽活動もしていたというから驚きです。だから重度の妊娠中毒症になってしまったのですが、1年間育児休暇をとったらまたバリバリ仕事しちゃうんだろうなあという所が恐れ入ります。
その他4編。中でもやっぱり昭和25年に貰い子(里子)をして男の子を育てあげた話が私には感動的でした。
ダメ亭主に愛想をつかして里子を育てだすも実子が生まれた後離婚、貧乏のどん底でも情が湧いて施設に返すことが出来ず・・でも結果としてその後この男の子は彼女の大きな支えになってくれるわけです。
有吉佐和子の小説のような、といっては誉めすぎかもしれませんがそんな感じがしました。