4月1日から相方と一緒に同じホテルに働き始めたアキコです。今日はお休みです。彼は夜シフトです。
人生にはいろいろターニングポイントがあって、私も今回の転職では大きく悩みました。
相方も、相当今回悩んだようです。
彼は去年の5月から上海近郊の工業都市で製造業の管理の仕事をしていました。彼の仕事が落ち着く2年後くらいには、ワタシも上海に移住するという当初の計画で、香港を後にして早8ヶ月。
彼は精力的に営業をし、飲めない酒を飲み、夜遅くまで接待と称し、「賄賂」とも思えるアンダーテーブル行為もやってきました。
8ヶ月の種まきが花を咲き始め、大きな受注もちらほら入ってき始めたようです。
ワタシは、将来の移住のため、相方がいる上海に去年は2回ほど遊びに行きました。
そして。すいません、上海には、行けません。。。
詳しくはこちら→「
さよなら上海」
ワタシは上海には行けません。香港に残ります。半年くらい、そんな会話を続け、最初はそんなのムリムリと相手にされませんでしたが。
中国で暮らせば、香港の10倍のお部屋に半額の金額で住めるし、生活費も安いから香港や日本にいるより貯金もできるから、そしたら、愛する浪費家アコちゃんもっと幸せになるだろう。働かなくてもいい、アコちゃん夢の専業主婦になれる!そう思って彼は中国へ働きに行ったのでした。
それが、ついにワガママアコちゃんのせいで、彼は香港へ連れ戻されるのです。(ワタシは最悪ですね)
しかし、理由が理由ですから、上海の会社の社長も黙ってはいません。
連日電話をかけてきては、
「給料2倍!月2回は交通費支給で5日間ずつ香港に帰ってもいい」
「セールスマネージャーにするから」
などなどなど。
こんなことに遭遇した人、海外で働いている人なら、一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか?
お金VS幸せ
お金VSキャリアアップ
100人いれば、100とおりの「
人生の天秤」があるのでしょう。
「何が自分にとって今一番大切か」
「あきらめることができるもの、失うと二度と取り返せないもの」
ワタシなら、悩むでしょう。本当に悩むと思います。上海に残ることを決意するかもしれません。お金を取って。
でも、驚くのがこの相方。
いとも簡単に「それでも香港に戻る」というのです。
もちろん彼も相当悩んだと思いますが。
彼の持論は
「お金持ちなんかにならなくていい、生活するのに十分なお金があればいい。“ただいま”といったら、“おかえり”、と返ってくる平凡な幸せが一番幸せ」
※彼のおうちは彼が幼少期超お金持ちだったそうです。高級住宅地に住み、ラ・サールに兄弟全員でお迎え付きで通っていたらしい。でも、お父さんの会社が倒産し、親は離婚し、家族はバラバラになってしまったそうです。
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし たけき者も遂には滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ』
幼ないながらに、平家物語のような目にあったのでしょう(笑)
こういう過去の経験からきている、この彼の幸せ基準に照らし合わせた場合、今回の件は悩むまでもなく、答えは明確、というわけだそうです。
この彼の持論は私たちが出会った頃から、変わっていません。でも、ワタシはまだケツが青いので、「マニーマニーマニー!」の
金の猛者でありました。
しかし、ワタシも今回の転職騒動で考えが変わりました。
どう変わったかと、いうのは自分でもよくわかりませんが、ついこの間までは、絶対に理解できなかった彼の「幸せ論」に素直に共感することができ始めたのです。
彼はビックリです。
「アコチャン、病気?」
しきりにクエスチオンマークが頭の上に飛び上がっています。
仕事初日、また社長が電話をかけてきました。
電話口で「モウイシー、モウイシー」と謝り続ける相方。
どうやら、相方の決心の固さを感じた社長は、怒ることも、彼の決定をけなすこともなく、むしろ彼にエールを送ってくれたそうです。がんばれよ。と。
彼は初めて泣きました。
明らかに長い目で見たら、中国にいたほうが、確実に出世できたでしょう。今彼は香港でホテルのフロントスタッフとして、一生雇われの道を選んだのです。
まだゆれ続けているかもしれません。なぜなら、最後に社長は、「2ヶ月間の無給休暇を今やるから、もし戻りたくなったら、いつでも連絡してくれ」と言い残したそうですから。
どうなるんだろう、ワタシたち。
とにかく、後で後悔しないように、今できることをがんばろう。
久々にマジメなアキコでございますた。
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