ご存知の通り今シーズンはニューモデルのスタイルFフレームを使用しているのですが、これが最高に調子良いです。
自分がいろいろと携わったフレームなので思い入れもあるし、手前味噌ですがとってもイイ感じのフレームができました。
まず見た目でいくとトップチューブの深い曲げと足元のセンターパイプですね。
自分のライディングに合わせてヒザがトップチューブに当たりにくいです。
これは不整地なんかを滑ったとき、バランスを取るために膝頭がトップチューブを左右に越すことが多いのですが、トップを曲げることでスペースができ、フレーム上での身体の可動域が広くなりバランスが取りやすくなります。
また僕的に重要なのがジャンプでインバートしたときに下側の足を奇麗に折り畳むことができるので、カタチがきれいに深く入るようになりました。

↑トップチューブが高いフレーム 寝かせてますが引き付けができてません。

↑トップチューブが低いフレーム スペースができるため姿勢がコンパクトになり引き付けが充分。
(注)スーパーマンFグラブ出来ないじゃん!とか、担げないじゃん!とかのツッコミは無しでお願いします。
トップチューブを深く曲げることにより、適度なしなりとねじれで強い衝撃をイナすようになってます。(F.F.S)
パークでも遊ぶようになってから今で以上に縦変化の激しい動きをするようになってきました。
上半身へ掛かる衝撃をうまいことフレームで逃し、姿勢、視線の安定を向上させ、疲労を軽減させるのが狙いです。
トップチューブ下側にガセットが入っていますが、足元のしっかり感を出しつつそこに応力が集中し過ぎないように溶接も全周ではなく逃げをつくっています。
それと足もとのところのトップチューブ位置が低くなるので足元(くるぶしあたり)でフレームをコントロールできます。
足元のトップチューブ低さ、センターパイプ、フットストラップにより足元がさらにしっかりし、確実にフレームを動かすことが可能になりました。
この辺りも滑走時にバランスが取りやすく、またリカバリーしやすいことに繋がっています。
これもジャンプでインバートしたときに下側の足でフレームをしゃくることができたり、バースピンするときに足元でフレームをホールドすることができるし、今練習してるターンダウンのときも素早くフレームを押し出し、戻すことが可能になりました。
ワイドデッキになったこともかなり重要で大きな変更点ですね。
今までのデッキ幅(ここではナローと言うことにします)はワイドに比べて少ないチカラ、動きでバンクさせやすく曲がりやすいのでヒラヒラとした乗り味が特徴だと思います。
女性や軽い乗り味を求めるライダーにはナローデッキのスタイルAやONE Plus等がおすすめです。
(ナローと言っても僕がスクート始めた頃のフレームよりかなり広くなってるんですよ〜)
ただバンクさせやすい反面、荷重が一気に内側にかかる傾向のために雪面に対してのエッジコンタクトの強さが急激に立ち上がるイメージになります。
そのことが不整地や柔らかい雪面でエッジコンタクトが強すぎてふらついたり、バランスを崩す要因にもなっていました。

ワイドデッキ=スタンスが広くなります。
スタンスが広くなることにより、スクートをバンクさせるときの足元のモーションが大きくなります。
バンクさせるために大きな動きが必要になります。
つまりフレームをバンクさせ辛くなります。
(倒しにくい。倒れにくい。)
そのことによりエッジに対して一気に荷重が掛かりにくくなります。
ジワァーっと荷重が掛かるイメージと言ったらいいのかな。
エッジが強く利きすぎても抵抗になる(安心感はある)
なのでエッジグリップの美味しいとこを使えれば失速感を減らせスムーズなライディングが可能になるのでは?
もちろんライディングスキルで向上させるべきエッジングの質だと思うのですが…
これがこのフレームの一番のデメリットでもあり、一番のメリットでもあります。
しかしこれにより、不意にバランスを失うことがかなり少なくなりました。
少しマッタリとした乗り味。ひとまわり大きいフレームに乗ってるようなイメージ。
まったりしつつも足元がしっかりしているので素早いコントロールも可能です。
そういう意味で安定感が向上し、リカバリーしやすく、余裕のあるライディングが可能になりました。
ワイドデッキになりデッキの肉厚を上げたことと(穴あけで可能な限り重量増は抑えてますが)低いトップチューブとセンターパイプ位置から今までのフレームに対して重心を下げ、後ろよりにしました。
これも安定感をさらに向上させるためです。
自分の滑り方はリヤボード主体で滑っています。
スノースクートの構造上、リヤボードの後ろ側取り付け部分からテールまでが一番ボードがしなる部分になります。
そこのしなり、接地感を常に感じながら、要はリヤトラクションを意識して滑っています。
もちろんターンイン時は前側のエッジから荷重して行く訳ですが、それもフロントボードからというよりはリヤボードの前側のエッジからきれいに食わすようなイメージで滑っています。
元々がMTBレースやモトクロスもしていたことがあるので、リヤトラクションを意識して走ることが大事だと思っています。
要はリヤがしっかりしていないと上手く走れない。そういえば趣味のラジコンもそうですね。
なのでJykKでハードと表記されているボードを使ってもあまり硬さを苦にせずライディングしています。
で、そのボードの硬さ。
硬さを変えるためには(取り付けブッシュはノーマル固定として)現状ではボードを交換するしかないですよね。
そうなるとソフト、ハード、ミディアムからボードを選ぶことになります。
とゆーことは、
ボードをソフトにするとしなるほうもソフトに、反発するほうにもゆっくり柔らかく。
ハードにするとしなるほうに硬く、反発するほうも早くきつく戻ります。
僕の好みはハードなボード。
メリットは
・硬いことによるしっかり感。
・荷重するとしっかり反応してくれるレスポンス。
・ターンの切り返しが楽しい。
・バニーホップが高く飛べる。
・ジャンプでまくれ難い。
・ジャンプで水平状態になるのが早い。
・前に出る。
・乗りこなしている感を強く感じる。
こんなとこかな。以上のことからめっちゃ楽しい!
まあこれも乗り方からくる好みなのですが、柔らかいボードだと(特にトーションが柔らかいと)フレームに対してボードの動きがついてこない感じでバランスを取ることがとても難しく感じてしまいます。
だから柔らかいボードでレベルの高いライディングをしているライダーを見ると正直上手いと思って見ています。
デメリットは荷重するとしっかり反応してしまうレスポンス。
ここで あれ???と思いますよね?
そうなんです。レスポンスの良さがアダになるときもあるんです。
いろいろとテストしながら考えた結果、ボードが反発するとき(しなった後にもとに戻ろうとする動き)の動きの質をなんとかしたくなりました。
ここで感の良い人ならピンと来るかもしれないですね。
バイクやMTBのサスペンションで言うところの、リバウンドスピードをコントロールしたいと思ったんです。
反発のスピードを少しだけまったりさせたい。
しっかり反発する感じは欲しいけど、斜面を下るというスポーツの性質上、それが速すぎるとピッチング方向(おじぎする動き)に不用意に動きすぎ、バランスを崩しやすい。
柔らかい雪質であれば特にバランスを保つのが難しく感じる。
でも良いと感じる部分は残したい。
本当はボードの中身の素材を変えたり、方向性をもった素材を使ったりといろいろ考えられることがあるけどいろんな制約で今はできない。
そこでフレームの重心を下げ、後ろよりにすることで身体で抜重しても、出来るだけリヤボードにフレームそのものの重さを残しておき、少しだけ反発がモチャッとするイメージにしてみました。
ほんとはもっともっとなんとかしたい部分。いやぁ難しいです。
と、まあこんな感じが新しい「STYLE F」フレームの特徴です。
正直、初めて乗ると違和感を感じる人が多いと思います。
しかしそれを乗りこなすことによってさらにライディングレベルが向上するようなイメージでつくってみました。
慣れてしまった今はナローデッキには戻れない感じがしています。
ほんとはもっと早くにいろいろ書きたかったのですが、ルーズにしてしまい申し訳ありません。
試乗車を用意している販売店さんや試乗会等で是非いろんなモデルを乗り比べて好みのスノースクート見つけてくださいね!

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