今日の京都は朝から雨です。
去年はいい天気だったのにな。

去年の今日、私は先に仕事を全部済ませようと思いました。
どうしてなのか、判りません。
午前中に効率よく得意先を回り、お昼前に帰宅し
慌てて動物病院に点滴に行きました。
五条通りを、福来。とお話しながら歩きました。
午後からも仕事はしていました。
く●●と●●の研究所から、文字入力の仕事が入っていましたので
パソコンに向かい入力をして、後は雑務をしていました。
午後3時頃だったでしょうか。
通り雨が突然降り、そして、すぐにあかり、日が差してきました。
余りにも眩しかったので、福来。が辛いかと思ってカーテンをした位です。
あの日差しは、まさに木漏れ日でした。
「木漏れ日」というのは、仏教用語だと言う説もあります。
木からこぼれた日差しに乗って、天国に行くのだそうです。
木々の間からこぼれる日差しは天使の道で、
その日差しに誘われ天国に行くのだとか。
(葬儀場に「こもれび」がよく使われるのは、それが所以だとか)
あの日、神様は、福来。を迎えに来るので
雨を降らせ、日を照らせ、木漏れ日を作って下さったのでしょうか?
午後5時前、福来。は急変しました。
椅子から落ち、目を見開き、瞳孔が開き、鼻は真っ赤になり
ぐったりとして動きませんでした。
その姿を見て、福来。とお別れする時が来たのだと悟りました。
福来。は私の所に、たった3ヶ月しかいませんでした。
でも、それは、福来。が我が家を「終の棲家」に選んだからだと思っています。
我が家を死に場に決め、病気でしんどい体を脱ぎ捨て
再び戻る場所はここなのだ、と目星を決めたのではないでしょうか。
帰る所が決まったのですから。
福来。は行動に移し、天国に戻って、神様に交渉し
白血病ではない、元気でお転婆なの白黒猫さんの体を貰ったのでしょう。

殆ど鳴かない福来。でしたが、死の直前
「ニャ〜ニャ〜ニャ。 ニャニャニャ!」
と何度も鳴いたのは
「10月29日に戻ってくるで〜。待っててや。探し出してや!」
そう言っていたのでしょうか。
今日の午後6時50分
私は葬儀社に行って、福来。のお骨を抱きしめて、
その時間を待つことにしようと思っています。

そしてより一層グルメとお転婆に磨きをかけて帰ってきた福来。ちゃんに
改めて言ってやろうと思います。
日々、表情、行動、仕草、全てが福来。に似てきた風子は
やはり福来。ちゃんの生まれ変わりだと信じています。
他の誰かが、「そんなの違う」と言ったとしても
私はきっとそうなのだと、信じています。
死ぬ前に福来。が私に一杯語りかけたのは、
きっとそのことだったのだと、今は確信しています。
生まれ変わって帰って来ることを、必死で伝えていたのだと思います。
「お帰り、福来。ちゃん
今度は永いこと、私の傍にいてや。」

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