『奇跡の脳』ジル・ボルト・テイラー著★★★☆☆
1年くらい前に
ココで知り、図書館予約していたもの。脳研究科学者自身が脳卒中を起こした時の薄れ行く意識の中で体験したことと、奇跡的に助かってからの回復過程の記録。著者の、脳卒中で左脳が働かなくなり右脳だけになったときがどんなであったか、左脳を回復させる過程がどんなてあったか、の記録書。
〔発作直後〕この身体の細胞群が、素敵な仮の宿を与えてくれていたのです。この驚くべき脳は、正に数十億、数超のデータの断片を如何なる瞬間もまとめ上げ、私の為に、この環境の三次元の知覚を作り出していたのです。それは継ぎ目のない現実であるだけでなく、安心できるもの。この幻想の中で、生物学的な細胞組織が効率よく、私という形を作り出したことに、ウットリしてしまいました。そして、その設計の簡潔さに畏敬の念を抱きました。(略)この身体の中で、つまりこの生命携帯の中で、多くの歳月を過ごしてきたのに、身体を借りていただけだったことに気付かなかったなんて。
〔左脳が損傷し右脳だけになったとき〕
左脳とその言語中枢を失うと共に、脳内時計も失いました。瞬間、瞬間は泡の要に消えるものではなくなり、端っこのないものになったのです。ですから何事もそんなに急いでする必要はないと感じるようになりました。左脳の「やる」意識から右脳の「いる」意識へと変わって行ったのです。ひとつの孤立した感じから、大きく広がる感じへと、私の意識は変身しました。(略)
ようするに、もっとも基本的なレベルで、自分が流体のように感じるのです。左脳は自分自身を他から分離された固体として認知するよう訓練されています。今ではその堅苦しい回路から解放され、私の右脳は永遠の流れへの結びつきを楽しんでいました。もう孤独ではなく、寂しくもない。魂は宇宙と同じように大きく、そして無限の海の中で歓喜に心を躍らせていました。
〔巻末・右脳と左脳の違い〕右脳マインドには、現在の瞬間以外の時間は存在しません。生や死も、今この瞬間に起きています。右脳マインドにとっての「今」の瞬間は、一瞬にして永遠なのです。今、ここにある一瞬は、全ての物、全ての人々を「ひとつのもの」に結びつけ、その全体像を理解します。それとは全く逆に、左脳マインドは、細かく細かく細部にこだわりつづけます。左脳の言語中枢は、あらゆることを説明し、定義し、分類し、伝える為のものです。「わたしは」ということで「自己」の意味を明確にします。左脳が役目を果たさなければ、自分が誰であるかも忘れてしまうし、人生と個性の奇跡も失ってしまいます。
臨死体験をした私としては、自分と全体との境界がない、というのや、えもいわれぬ幸福感、というのはわかる気がした。
『世界を見る目が変わる50の事実』★★★★★ 皆(特に先進国の人々)が知るべきだ〜!
『エンドゲーム〜アパルトヘイト撤廃への攻防』★★★☆☆
マンデラ絡みでいたところ、丁度NHKBShiで放映。我が家はまだBS見れないのでオンデマンドで見る。ヘ〜ッ、アパルトヘイト撤廃の裏には、水面下で、こんなふうにARCと政府との秘密会議が行われていたのか、という実話に基づく映画。サスペンスとは名ばかりで、見所は後半の会議模様。
『知られざる真実〜勾留地にて〜』植草一秀著★★★★★
前半の政治問題の数々は、私にはちょっと難しかったが、後半の彼の人間、社会への考え方には、共感することばかりだった。
『それでもボクはやってない』上書で、検察、国家権力を知る上で参考になる、とあったので、さっそくレンタルしてみる。 これが司法の現実? 一般市民には考えも及ばないことばかりだった(><)。
『喋々喃々』小川糸著★★★★★
このところ、アフリカや権力に虐げられてきた人々など、重い話が続いていたのだが、それがかなりのストレスになっていたことが、この作品に触れて実感させられた。なんという心地よさよ! 優しく美味しく、実にホッとする空間だ。 どんなに疲れていても、この作品中に入ると、じんわりと癒されてしまう素敵な作品。

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